平成アイドル水滸伝

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太田省一

昭和のアイドルはテレビの歌番組を中心に活躍した。それが無くなってからの平成のアイドルを否定的に見る傾向がある。それは逆に言えば、歌番組以外にも、活躍の場所が拡がったとも言える。

CMで人気に火が付いた宮沢りえや広末涼子。圧倒的なライブパフォーマンスで男女の区別なく支持を得た安室奈美恵。テクノポップとアイドルという意外な組み合わせのPerfume。バラエティーアイドルとしてお茶の間にも浸透したモーニング娘。アイドルがより身近になり、昭和以上に社会とともに歩むという側面が強まった。

他人数化も顕著だ。モーニング娘に始まり、AKB48で頂点に達した。アイドルがバラエティータレントや女優として活躍し、彼女たちの個性を収容する場がグループになった。
アイドルグループ=学校という視点も織り込んだ。学校という枠からはみ出したり、こぼれ落ちた個性を受け止める共同体の機能をアイドルグループが持つようになった。例えば元乃木坂46の生駒里奈さんは学校生活には馴染めなかったが、乃木坂に入って初めて居場所を見つけたと言う。ファンもアイドルを応援することで、コミュニティの一員となれるという感覚が強くなった。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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