『突破するデザイン』

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ロベルト・ベルガンティ

流行の「デザイン思考」ではなく、「意味のイノベーション」。人々は選択肢が増え続け、複雑で不可解な人生の意味を理解することを楽しんでいる。人生が変化し続けるため、人々は絶えず「新たな意味」を探し求めるのだ。だから、商品開発者やマーケター、経営者がやるべきは、「問題解決」ではなく、「意味のイノベーション」なのです。

私たちは「意味を見つける」ために目覚めるのである
もしあなたが人々に愛されるモノゴトを創造したいのであれば、問題解決からは離れた方がよい。愛について考えるのだ

気に入らないことがたくさんある。例えば、サーモスタットだ。本当にゾッとするくらいひどい。心から愛せるサーモスタットをつくりたいんだ。
ネストラボはサーモスタットに今までにない意味を与えることに成功した。人々は温度を管理したいのではない。できれば温度管理などすることなく、ただ快適に過ごしたいのである

この世界で価値をつくり出すための主役は、単なる意味ではなく「新しい意味」である
意味のイノベーションとは、進むべき方向の変化、判断のものさしの変化である

今やロウソクは無駄で古めかしいものではない。現代的で意味があるものなのだ

「私たちのアイデンティティは今や選択の問題となっており、アイデンティティを受け継ぐのではなく、発明するようになった。私たちは好きなだけ自分自身を再発明すべきである」(バリー・シュワルツ)

無限の選択肢は、私たちが逃した選択肢を惜しむ感情を引き起こし、そういった失敗に対する自責の念を生む一方、次への期待を換気しやすいバラエティーの少ない世界では、より多くのソリューション、より多くの方法をつくることが賞賛される。
一方、より多くの選択肢がある世界では、妥当な方針、妥当な理由、言い換えれば、意味の重要性を見いだすことが賞賛に値するのである

ヴォックスは顧客の人口動態の大きな変化、とりわけヨーロッパの人口高齢化を憂慮していた。ヴォックスは、コモディティー化を避けるため、新しいビジョンを提案した。
寝室を「リビングベッドルーム」に変換するのだ。寝室を家の中心にすることで、高齢者は家族や友人に会って話ができ、楽しく過ごせるようになる

思い出づくりの手段から、コミュニケーションの手段へと写真の意味が変化した
・「話すことの信頼」それがなければ、私たちは未成熟な考えを共有することはできない
・「行動の信頼」それがなければ、禁止された実験を行う勇気は持てない
・「聞くことの信頼」それがなければ、批判的な意見を真摯に取り入れることができない

いけにえは、今の市場において不人気であってはいけない。大成功しているが、人々が商品の意味に親しみながらも、その価値に潜在的な不満を持っているものがよい。たとえば、アルファロメオのいけにえは、ハイエンドなドイツ車メーカーだった

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

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