大人の筋活

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森谷敏夫、京都大学名誉教授

〇筋肉の役割
体を動かす。体を衝撃から守る。代謝をアップする。心臓の血液循環を助ける。免疫力を上げる。水分を蓄える。熱を作る。生理活性物質(マイオカイン)を作る。

筋肉は、歩く、走る、座るなど、生活のあらゆる動作に欠かせない。筋肉は単なる運動器にとどまらずに、衝撃から体を守ったり、糖質と脂質を燃やして熱をを作ったりする。
筋肉を動かしているのは脳。筋肉が動いている時は、脳も活発に活動している。最近は、筋肉から様々な臓器に働きかける生理活性物質(マイオカイン)が分泌されることが注目されている。その1つの脳由来神経栄養因子(BDNF)は、脳で学習や記憶を司る海馬を活性化し、認知症の予防や改善に繋がることが分かって来た。

筋肉はいわば、生きる力の源。筋肉が衰えないように体を動かすことは、健康的な日常生活を送る上でとても大切だ。必要に応じて刺激することで、体が動きやすくなるだけでなく、心臓も脳もハッピーになって、元気に自立した人生を送れる。大人の筋活の目的は、ここにある。

筋肉は、何もしなければ25~30歳ごろから1年に1%ずつ減っていく。筋肉は、瞬間的に大きな力を出すけれど持久力に乏しい速筋と大きな力は出ないけれど持久力のある遅筋で構成されている。加齢によって減りやすいのは速筋だ。
速筋は大きな負荷をかけなければ鍛えられないと考えられていた。しかし、近年の研究で、軽い負荷でもスピードを速くすると、速筋もそれなりに鍛えられることが分かって来た。つまり、筋力に自身の無い人でも、軽く動くこと繰り返せば、重いバーベルを上げ下げするのに近い効果が得られる。

〇筋肉が減るのは老化現象とは限らない。
宇宙飛行士を見ると、2週間無重力の中にいると筋肉が15%減少している。筋肉のエネルギー源である糖質が燃焼しないので、血糖値も悪くなっている。

筋肉の材料となる蛋白質を毎日3食しっかり摂る。蛋白質が足りないと、筋トレをしても筋肉は減っていく。筋肉をつけるため1日に必要な蛋白質の量は、体重1㎏に対して1.2~2.4g。体重が50㎏の人なら60g、朝昼晩各20㎏が目安だが、摂りきれてない場合が多い。
歳を取ると筋肉を合成する力が弱くなるので合成を促すロイシンなどの必須アミノ酸をサプリメントなどで補うのも有効だ。

筋トレなどの運動を行うと、刺激を受けた筋繊維の中で筋核の数が増える。筋核には筋トレの情報を記憶する装置=マッスルメモリーがあり、運動を辞めて筋肉が落ちても筋核自体は残る。なので、運動を辞めていた人も、再開すればマッスルメモリーが活性化して筋肉が効率よく合成される。

筋トレが苦手な人は、階段を使うように心がける。座る時間を短くする。テレビを見ながら足踏みをするなど、生活の中で、より多く体を動かすことから始めてみる。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『リクルートのDNA』

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リクルート創業者、江副浩正

起業家は、起業するとき「こんな事業をしたい」「こんな会社にしたい」という夢や理想を必ず抱く。親しい仲間と立ち上げる場合も同じで、全員が同じ方向を向いている。しかし、1年経ち、2年経ちすると、考え方が違ってくるケースもある。急成長したベンチャー企業が突然低迷するのも案外この“理想のベクトル”が一つではなくなったことがあるのかもしれない。
経営者にカリスマ性があれば、その人間的な魅力や個性によって社員はその人についていくが、一度ベクトルがずれると、なかなか元の軌道には戻らない。

私はそもそもシャイな性格で、カリスマ性はない。人前で話すことも苦手だった。社員の前で話すときは前日から準備して臨んだが、専務の森村稔は私にしばしば忠告した。
「ドラッカーはこう言っているとか、松下幸之助語録にこうあるといった、他人の説を引用した話や新聞記事を引用した話が多く迫力がない。また、状況説明的な話が多すぎる。“僕はこう考えている”“リクルートをこんな会社にしたい”“みんなこうしてほしい”という経営者自らのメッセージを強く打ち出さないと、力強さに欠ける」

そういわれても、私は自分のメッセージがなかなか出せなかった。それは、リクルート創業期の私が克服しなければならない弱点でもあったのである。そのためもあって、リクルートでは私の思いや経営に対するスタンスについては「社是」あるいは「心得」などとして文章にし、それを社員教育に教材にした。それが結果的にリクルートに共同体意識を醸成し、独特の企業風土や企業文化が形成されたように思う。

リクルートについて、外部の人たちの多くは「自由闊達(かったつ)」というイメージを持っておられるようだ。事実大半の社員は、風通しの良い、何でも自由に発言できる会社であると思っている。

社是と社訓は私が草案を書いた。それをもとにじっくりT会議(泊りがけの取締役会)で議論を重ね、森村稔に補筆してもらった。こうしてつくったのが、次の「経営の三原則」である。
《経営の三原則》
1. 社会への貢献
2. 個人の尊重
3. 商業的合理性の追求
「社会への貢献」とは、これまでにない新しいサービスを提供して、社会の役に立つこと。リクルートの目標として掲げた。だから「新しいサービスがどんなに儲かる事業であっても、社会に貢献できない事業ならば、リクルートは行わない」とした。
「個人の尊重」は、人はそれぞれに違いがある。得意なことと不得意なこととがある。その違いを積極的に認め、各人が得意なことを組織に提供しあって大きな成果を上げていくことを目指す。もっとも、多くの場合、人はやりたいことと、できることとは違う。自分が思っている自分と、人が見る自分とも異なる。単純に個人を尊重するのではなく、そのギャップは埋めなければならない。そのために、自己申告制度やR0Dなどのプログラムを導入した。
「商業的合理性の追求」は、松下幸之助語録に「利益を上げ税を納めるのが国家への貢献」とある。これを教訓とし、リクルートも「仕事の生産性を上げ、仕事のスピードを高め、高収益会社にして税金を納めることがリクルートの誇り」とした。

企業が収益を上げるには、
1. 質の高いサービスを提供する
2. モノ・サービスをスピーディーに提供する
3. コストを下げて顧客への価格を下げる
という三つの方法がある。
リクルートでは、このうち1と2に重きを置いた。仕事はできるかぎり外部の一流アートディレクター、デザイナー、一流のライター、一流のカメラマンに依頼し、経費節約には関心が低かった。情報の価値は時間の経過とともに下がる。原稿用紙を節約するよりスピードを大切にしたのである。

社是と同時に社訓も決めた。私は高校の漢文の時間に出会った言葉、易経の「窮すれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し」を人生の指針の一つにしていた。その言葉をもっと積極的に表現したのが、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
私が考え、これを社訓にしてはどうかと提案すると、みんなも賛同してくれた。

リクルートほど、各界、各分野の経営者やリーダーを輩出している企業はない。それは、「社員皆経営者主義」を掲げているからだ。資源小国の日本が世界の荒波の中で生き延びるには、新しい産業がいくつも生まれることが必要だ。
そして、「起業家精神」こそが、経済を活性化させ、日本経済を復興する。

大事なことは、どんなに個人を尊重し、社内が自由闊達であっても、会社の方向性というベクトルだけは合っていなければならない。もし方向性が間違っている人がいたら、その人にパワーがあればあるほど、能力があればあるほど、会社の進む方向とは真逆に進み、最悪の場合、会社は倒産に至るからだ。

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」起業家精神を旺盛に発揮し、自ら機会を創り出そう。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『ナイト・サイエンス』

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筑波大学名誉教授、村上和雄

私はよく、科学には「デイ・サイエンス」と
「ナイト・サイエンス」があると言います。

「科学」の一般的なイメージ、
つまり、仮説にもとづいて綿密に実験を繰り返し、
実証を積み重ねていくというのは、
「ディ・サイエンス」です。
このように理性的、客観的な科学は、
いわば科学の「表の顔」です。

では「ナイト・サイエンス」とは何か。

それは、ひとことで言えば、
直感やインスピレーションがものを言う、
科学の「裏の顔」です。

科学者がこんなことを言うと、驚かれるかもしれません。
しかし、科学には、確かに、
計算とは違う次元で働く力によって
大きな進歩がもたらされるという一面があるのです。

そこで大切なのが、コミュニケーションです。
ずっとこもっていた研究室から飛び出し、
さまざまな人と出会い、新しい刺激や情報を得る。
そこから新しい発想が生まれ、
大きな発見につながっていきます。

「ナイト・サイエンス」の可能性を強調するのは、
やはり、研究をするうえでも、仕事をするうえでも
「情報」がいかに大切かということを言いたいからです。

じつは、環境の変化と同時に、
情報は遺伝子のオンに深く関係しています。

この情報化社会に情報が大事というのは
当たり前のように思えるかもしれません。

しかし、私が言っているのは、
インターネットを検索すればいくらでも出て来るような、
手に触れられない「情報」のことではなく、
人とじかに向き合って得る「人的情報」のことです。

人と腹を割って話せる「ナイト」にこそ、
いまの仕事をより充実させる可能性が潜んでいるというのも、
そのためなのです。

たとえば、仕事後の一杯やパーティーなどの場、
すなわち「ナイト」の場で耳をそばだてる。
こういうところで、ふと得た小さな情報が、
以後の仕事に大いに役立つことがあるのです。

私と一緒に研究をしていたある日本人は、
パーティーに行くと、ろくに食事もせずに
情報集めに専心していました。
ホテルで開かれるセミナーに行っても、
用意された個室には泊まらず、
大学院の学生たちと夜通し語ります。

「一つの情報が人生を変えるかもしれない」と言って、
情報収集に専念しているのです。

研究にしても仕事にしても、できる人というのは、
例外なく情報収集が上手な人だと思います。
そういう人は、有益な情報はどんなに小さくても見逃しません。

それにはもちろん、玉石混交の中から
有益な情報を選び取る能力も必要ですが、
まずは、どんなことも漏らさないように、
きめ細かくアンテナを張っておくことだと思います。

「多くの人が、話上手だから
人との関係は得意だと思っている。
対人関係のポイントが 聞く力にあることを知らない」
( ピーター・ドラッカー )

情報力とは聞く力。
自分ばかりしゃべっている人には情報は集まらない。

聞く力がある人は、話の合間に、
あいづちや、うなづきや、驚く力のある人。
驚く力がある人とは、「すごい」とか「さすがです」
といった感嘆の言葉や、
驚きの表情を自然に出すことができる人。

人は、自分の話に、驚いたリ、感動してくれると、
もっと話したくなる。
だから、情報収集の上手な人は、聞き上手。
「仕事ができる人は、例外なく情報収集が上手」

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『買う理由は雰囲気が9割』

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福田晃一 これまで時代を大きく動かしてきたのはマスメディアです。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を経由して、マス広告という形で世間にはモノやサービスの情報がもたらされていきました。
たとえば、この本を大々的に売りたいなら、ほんのつい最近まではマス広告をどかんと打てばよかったわけです。『福田晃一の最新刊 多方面から大絶賛! あなたのビジネスを劇的に変える 必読の1冊!』などと派手に広告することで、「この本はすごいらしいぞ!」とみなが手に取ってくれました。

しかし今は、マス広告に対する消費者の反応が大きく変わりました。「福田とやらの本、最近CMをバンバン打ってるけど、都合のいいことだけ言っているんじゃないのか?」「最近よくテレビで取り上げられているけれど、どうせ仕込みじゃないのか?」などと、世間が広告やメディア情報を信用しなくなってきているのです。

インターネットやソーシャルメディアの普及によって、広告の効果も、そのあり方もがらりと変わってしまいました。
マスメディアの情報でなく、人々が自分で「正しい」と思う情報だけを選ぶようになったのです。ニュースだけでなく、美味しいレストランやおしゃれなカフェ、ファッションやコスメ、本や音楽、映画などについても、口コミやレビュー、評価の☆の数を見て店を選んだり、商品の購入を決めています。

残念ながら「この商品は素晴らしい」とか、「感動の大作」などといった言葉に人々は踊らされません。むしろ一般人のリアルな口コミこそが、人々の「買うか買わないか」の決め手になっているのです。
インターネットやソーシャルメディアに慣れ親しんだ若年層ほど、その傾向は強くなります。若者向けの商品やサービスを展開しているベンチャー企業などが、一気に台頭するのは、このソーシャルメディア時代の波をうまく捉え、流れに乗っているからでしょう。

簡潔に言ってしまえば、今、モノが売れるか否かの決め手となるのは「誰かの声」なのです。ただし、誰でもいいわけではありません。自分の知っている人、自分の信頼している人たちが話題にしていることに人々は大きく影響されます。ソーシャルメディア上での身近な知り合いからの口コミ情報を何よりも信用します。この口コミ情報をどのように活用するかが、今、商品が「売れる」「売れない」の分岐点になっているのです。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『「古本大学講義」』閑谷学校にて

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安岡正篤 

先生は、東洋には「四部の学」というものがあると説明され、概略、次のような話をされています。「四部の学」とは「経」「史」「子」「集」。

このうち、「子」は人生に独特の観察と感化力を持つすぐれた人物の著書のことをいい、これは「経」に従属させるべきものだといわれています。
「集」は詩文のことです。従って、東洋の教学は「経」「史」「集(詩文)」の三つに分けて考えたほうがよい、といわれています。これは私たちが学問修養をしていく上において非常に意義深い分類法であり、こういう分類法は東洋独特のもので、西洋の学問にはみられない。

なぜ、これが意義深いか。まず、「経学」です。「経学」というのは、人間はいかに生くべきかを研究する学問であり、我われの生き方の信念を養い、生活の指導力となる学問のことだ。即ち、人間力を養い、人間性を高める学問ですね。今日でいう「人間学」の根幹をなすものです。

これに対して、「我われ人間はいかに生きてきたか」「かく生きた故にかくなったから、人間はかくあらねばならない」というふうに、歴史を照らして、人間の生き方・あり方を教えているのが「史」、即ち歴史です。つまり、史学は経学を実証するものです。

「経」を離れて、「史」なく、「経」と「史」の学を兼ね修めて初めて人は知行合一的に、全人格を練っていく。
次に「集」ですが、人間の情緒・情操を養っていくのが詩文です。人は詩文を読むことによって感動し、行動にかりたてられます。

そこで、私たちが本当に自己を磨いていくには、「経」と「史」と「詩文」の三つを深めていかなければならない。この三方面から終始自分を養ってゆけば、明るい洗練された人格が光輝を増していく…。

この三部はいずれも大事ですが、根幹はやはり「経学」です。「我われの生き方の信念を養い、生活の指導力となる」…そういう学びを深めていきたいものです。後年、安岡正篤先生は、古典と歴史と人物の研究…これなくして人間の見識は生まれてこないと言われました。

「歴史はくり返す。たいていのことは古典の中にある。何千年もたっているのに、人間そのものの根本は少しも変わっていない。自分が創意工夫し、真理を発見したと思っているが、それは大変な錯覚で、すでに古典にのっていることを知らないのだ」(安岡正篤)

我々が古典を学ぶ理由はここにある。現在起こっている事象 を解きほぐし、未来のことを予測するには古典の勉強が一番だ。人間としての根本は少しも変わっていないからだ。また、「愚直で、少々頭も悪く、小才も利かぬ、そんな人間の方が、根が真面目なだけに、修養努力して大人物になることが多い 」
(安岡正篤)

我々が人物学を学ぶ理由がここにある。中国の古典「呻吟語」中でも、そのことが述べられている。
「深沈厚重(しんちんこうじゅう)是(これ)第一等
磊落豪遊(らいらくごうゆう) 是第二等
聡明才弁(そうめいさいべん) 是第三等
どっしりと落ちついて深みのある人物が第一等。
細かいところにこだわらないような豪放磊落な人間は第二等。
そして、目から鼻に抜けるように頭が切れて弁の立つ「聡明才弁」の人は第三等だという。

また、「徳とは無類の明るさのことである」(安岡正篤)無類の明るさは「集」、すなわち、 人間の情緒・情操によってつくられる。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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「娘の霊にささぐ」

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東京家庭教育研究所を創設した小林謙策

小林さんが家庭における子どもの教育がいかに大切かを身にしみて感じたのは昭和30年6月、ただ一人の娘に突然、自殺されたときからです。小林さんは長野で中学校の校長をしていました。人さまの大切な子どもをあずかって教育しなければならない立場の者が、自分の娘の教育さえ満足にできなかったのはなぜか。
19年間の娘に対する教育のどこが間違っていたのか。平和で楽しかったはずの家庭に突然おそった悲しみ、苦しみが厳しく小林さんを反省させました。

「私は家庭における子どもの育て方に大変な間違いを犯しておりました」と小林さんはいいます。
自身が勝気で負けず嫌いだったから、娘に対しても、小さい時から「えらくなれ」といって育ててきた。大きくなると、さらにその上に「人よりえらくなれ」といった。
「娘は小学校、中学校、高等学校までは、自分の思い通りに伸びていったが、東京の大学に行ってからは、そうはいきませんでした。あらゆる努力をしても、自分よりすぐれているものが幾多あることを知ったとき、もはやわが人生はこれまでと、生きる望みを失い、新宿発小田急行の急行電車に投身自殺をしてしまったのです」

遺された手紙には「両親の期待にそうことができなくなりました。人生を逃避することは卑怯ですが、いまの私にはこれよりほかに道はありません」と書かれ、さらに、「お母さん、ほんとうにお世話さまでした。
いま私はお母さんに一目会いたい。お母さんの胸に飛びつきたい。お母さん、さようなら」と書いてありました。「それを読んだ妻は気も狂わんばかりに子どもの名前を呼び続け、たとえ一時間でもよい、この手で看病してやりたかった…と泣きわめくのでした」

小林さんはいいます。考えてみれば、子どもは順調に成長してゆけば、誰でも「えらくなりたい」と思うもの。這えば立ちたくなり、立てば歩きたくなり、歩けば飛びたくなる。これが子どもの自然の姿です。子どもは無限の可能性を持って伸びようとしています。
「それなのに自分は愚かにも娘に、『人よりえらくなれ』といい続けてきた。“自分の最善をつくしなさい”だけで、娘は十分伸びることができたはずです。私は娘の死によって、家庭教育の重要性を痛感いたしました。

坂村真民『心に響く言葉』
「小さい花でいいのだ
人にほめられるような大きな美しい花ではなく
誰からも足をとめて見られなくてもいい
本当の自分自身の花を咲かせたらいいのだ
それを神さま仏さまに見てもらえればいいのだ」

心理学の交流分析に「スタンプ収集」という言葉がある。本当は怒りたいのに、我慢してニコニコしてしまったり、拒否したいのに、笑って「やりますよ」などと返事をしてしまったりと、大小の様々な、嫌な感情を押し殺して、ため込んでしまうことを言う。
ためこみやすいタイプは、親の言うことを反発もしないでよく聞く、「いい子」だと言われる子どもに多い。スタンプがある時に満杯になると、一気に感情が爆発する。怒りや暴力として外に出たり、あるいは自分を傷つけたり、引きこもったりと内に向く状態である。キレる、というのもそうだ。あんな従順で素直だった子どもが、なぜ金属バットで暴れたのか、という話だ。
親が子どもに期待するのは当たり前の感情だ。しかし、子どもが嫌がっているのに、そのサインを見落として上から押さえつけ続けると、スタンプ収集になってしまう。反発できる子どもはいいが、そうでない心優しい子どもはなんとかして、親の期待にこたえようとする。これは、子どもだけの話ではなく、大人でも同じだ。

嫌なものは断ったり、それを受け取らない勇気も必要だ。我慢してやりつづけると、やがて我慢の限界がくる。そして、時には心を休ませることも大切だ。
花には大きな花もあれば、小さな花もあり、名も知れぬ雑草として咲く花もある。
しかし、どんな花でも、花は咲くだけで美しい。無理して大きな花を咲かせようとするのではなく、小さくてもいいから自分の花を、せい一杯咲かせてあげるのが良い。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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ブルーゾーンの人々

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ブルーゾーンとは、100歳以上の人(センテナリアン)が多くクラス長寿地域のこと。

世界のブルーゾーンから得た、健康と長寿の9つのルール
1.適度な運動を続ける
2.腹八分で摂取カロリーを抑える
3.植物性食品を食べる
4.適度に赤ワインを飲む
5.はっきりした目的意識を持つ
6.人生をスローダウンする
7.信仰心を持つ
8.家族を最優先にする
9.人と繋がる

センテナリアンたちは長生きしよう思ってこのようなルールで生きてきたわけではない。彼らにとっては当たり前な、その地域での伝統的な生活の結果として1世紀を生きてきただけということだ。

特に学びとなるのは、長寿者たちが生涯現役で、生きるための羊飼いや農業などの仕事、信仰、家族を支えることなど、熱中したり没頭できるものを持っていることだ。そして、自然や人、コミュニティとの繋がりを大切にしている。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『できる人の人生のルール』

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リチャード・テンプラー

「今、新たに世界で起こっていることを知る」…
今日からこれを自分の使命としよう。時事問題、音楽、ファッション、科学、映画、食べ物、交通手段などなど、とにかくあらゆることに興味を持つようにしよう。

最新の電子機器のすべてを手に入れる必要はない。それでも、何が変化し、何が新しく生まれ、何が起こっているのか…世界のおおよその姿をつかんでおくことは大切だ。そんなことをしてどんな利益があるのかって?
「物知りでおもしろい人になれるし、若々しさを保つことができる」

先日、郵便局に行ったときに、あるおばあさんがPINコード(個人識別コード)について大騒ぎをしていた。「PINコードって、いった何なのかしら。この年でそんなこと言われたって…」しかし、このおばあさんはPINコードを知る必要がある。知らなければイギリスでは年金も受け取れないからだ。
人は油断すると、すぐに「今までやったことがないのだから、これからもやらなくていい」という心理状態に陥ってしまう。しかし、そんな態度では、人生のチャンスをことごとく逃してしまうのだ。

幸せで、バランスのいい人生を送っている人は、必ず世界と関わっている。世界から自分を切り離さずに、世界の中で生きているのだ。
そういう人は、一緒にいても楽しくて刺激を与えてくれる。

先日、朝のラジオを聴いていたら、アメリカの刑務所の責任者がインタビューを受けていた。話題はアメリカの刑罰制度の改革だ。私はイギリスに住んでいるし、アメリカの刑務所に入っている知り合いもいない。まったく関係のない話題だが、この話を興味を持って聞いた。この新しい知識から、私の頭が刺激され、活力が満ちてくるのを感じた。

知識は力だ。新しい世界からの刺激を受け、エネルギーをもらうのは悪いことではない。
《世界の変化に興味を持つ》過
去にばかり興味がある人は、過去のことしか話をしない。「あのときはああだった」とか「私が若い頃は」というように、「昔は…」で始まる話だ。しかし、反対に、年を重ねた年配者であっても、未来の話をする人もいる。「これからこうなる」とか「今度出た電子機器は」とか、現在起きていることや、新しいことを話す人のことだ。
どちらの人と会っていて楽しいかは言うまでもない。昔の話は、何度も繰り返され、愚痴や懐古で終わる。しかし、未来の話にはワクワクがあり、夢や希望がある。いくつになっても、あらゆることに興味を持ちたい。

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『戦略参謀の仕事』

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稲田将人

戦略思考と実行力を兼ね備えていなければ、経営をサボートすることはできない。

〇参謀役の基本的な役割
1.トップの意思決定の精度を上げるための、事業方針に関する現状分析と起案2.社内の「神経系統」づくり3.課題の優先順位付けと課題プロジェクトへの対応

〇ナンバー2と社長が共有して議論すべき内容
・現時点での上位課題の重要性、緊急度合いなどの優先順位 (A、B、Cな ど)付け・その見直し、変更とその理由の明確化
・現状対応中の課題の進捗状況・新たに浮かび上がってきた課題と、その緊急性
・まだ潜在的な課題ではあるが、中長期的に対応が必要なテーマ

たとえ、首根っこを押さえつけてでも、事実をもとにトップと現実の認識を共有する「自信」を失っている状態とは、自分たちの強みや弱みが一体何なのかを見失っている状態

「リーダーシップとは敬服される状態を言う」(故・渥美俊一先生)

権力があるところ、必ず「思惑」の温床となる

戦略的な方向性を見失っている時は、市場の実態がうまく「見える化」されていない

すべての理論には常に、それが有効であると導かれた時の前提がある

「困った時は人に聞け、それも適切な人に聞け」が仕事の鉄則

「ワクワク感のある戦略」になっているか?

「時代分析」とは自事業の過去を振り返り改めて「学習」すること

見慣れた帳票をそのまま使い、ソート(分かり易く整理する)の手間をかけていないために意味合いが抽出できていない企業が圧倒的に多い
顧客のプロファイリングを進め、打ち手の精度を高める企業の存在意義は、市場への挑戦改革の際には、初めに相手へのリスペクトありきで動く

不適切なKPI (重要業績評価指数)の運用が企業を破壊する

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『お客さんがホイホイ集まる法則』

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竹内謙礼

「『土用の丑の日には、肉は売れない』が、いつの間にか社内の常識になっていました」そんな諦めモードを打開するために、盛岡さんは食感がうなぎに近い豚のばら肉を蒲焼にし、土用の丑の日に販売してみた。
蓋を開けてみれば、前年の土用の丑の日には5万円だった豚のばら肉の売上が、53万円に10倍増した。「若いお客様の中には、うなぎより豚肉が食べたい人が多いことがわかりました。また、うなぎが苦手だという人が意外に多いことも、今回初めて気づきました」

熊本県東区にあるデイケアサービス「ホコル健軍」。施設の玄関にはレトロなバイクが展示されておりアパレルの店舗のような雰囲気が漂う。最新のトレーニング機器を取り揃えており、お洒落なカフェもある。とても高齢者が通う施設には見えない。
「みなさん身体が思うように動かせなくなって、気持ちが暗くなっています。そんな状況で『病気を治す』『健康を取り戻す』というイメージの施設ばかりでは気持ちは前向きになりません。そうならないためにも若々しいデザインの施設が必要だと思いました」

静岡県伊東市で宿泊業を始めた岸本昭男さん。宿の名前は「こころね」と決めたが、打ち出すコンセプトがなかなか思いつかなかった。そんな時、奥さんから「“金目鯛の宿”はどうかしら?」とアドバイスを受けた

〇鳥居食品「オムライスをおいしくするソース」「300人のモニター調査を行い、自宅で作るソースで関連のある料理を列挙してもらいました。するとカレーとハンバーグに次いで、3番目にオムライスがあったんです」

〇埼玉県本庄市にあるベーカリーズキッチンオハナ本店味や店舗デザインの他に人気の秘訣は何なのか尋ねたところ、「大きめの店舗を構えたことですね」と意外な答えが返ってきた。確かに一軒家の店内は広く、店頭には150種類以上ものパンが並んで賑やかである。「事業を始めるとき、パンの種類が多くなければお客さんに飽きられると思ったんです。だから大きな売り場を構えて、パンの種類も多めにして、お客さんに頻繁に来店してもらえるようなお店作りを目指しました」

バーベキューの“面倒”を全部解消しているのが、新潟県新発田市にある「いじみのバーベキュー王国」である。約200坪の敷地内にバーベキュー施設を完備している。食材や容器はもちろん従業員によるバーベキューの着火や後片付けまで、いたれりつくせりで、“非日常”を体験することができる施設だ。
手ぶらでバーベキューができることから、瞬く間に地元で評判の施設になり、オープン初年度は年間400名のお客さんが集まり、2年目には初年度の約7倍の売上を達成することに成功した。うれしい誤算は法人のお客さんが多かったことだという

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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