『女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』

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キャスリーン・フリン

料理を通じた自己啓発「よく聞かれます。“調理の資格で何ができるんですか?”って。でもね、調理学校を卒業したからといって、自分を縛る必要はありません。どこに行ったっていいんだし、何をやってもいいんです」私は続けた。

「あなたの人生を決めるのは、情熱と想像力です。可能性に対しては常にオープンでいましょう。型にはまった仕事でなくてもいいじゃないですか。レストランやキッチンに関係なくても、それがどうしたっていうの」これだけは忘れないでください。
人生はとても短いんです。あなたが思うよりも、ずっと周りの期待に応えることだけに集中してはダメ
調理できなければ、財政面にしか興味のない企業の製品に頼ることしかできなくなる

何十年にもおよぶ巧みなマーケティング戦略が、簡単なソースさえ作る技術が自分にはないと思い込む女性を作り上げたのだ
使い心地のよい包丁は、もっと刻んでみようって気持ちにさせてくれるから。料理をしようという気持ちにも繋がりますよね。ここが大切なところなのです
味覚を信じて、自分を信じて調理をすべて終えたあとで味を直すのは、時すでに遅しというケースがほとんどなのだ

消費者はひとつのブランドに固執するか、最も安いものを買う選択はするけれど、複数のブランドを味見しようと考える人、あるいは、次々と試してみる人は稀なのだ
塩をボトルに入れて振ると、見えないでしょ? どれぐらい入れたのか分からなくなってしまう。でも、小さな皿に入れておけば、まさに“ひとつまみ”が分かる

消費者が意識を変えれば、与えられる製品の種類は変わっていく
丸鶏からはじめれば、とても大切なことが理解できると思う。それは、かつてこの肉は生き物だったということ。それを知ることで、ほとんどの人が食材としての肉を無駄にできなくなるから
ミニマルに生きること、企業の言いなりにならないこと、小さなできることを積み上げることで自信を持つこと…。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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リーダーシップ

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藤岡幸夫、関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者

〇リーダーの条件BBCフィルを指揮するチャンスが巡ってきた。メンバーは大ベテラン、若い指揮者の言う事なんか聞かない。カラヤンの下でビオラを弾いていた演奏者に言った。「こうやってください。」すると、彼は答える。「カラヤンなら、そんな事は言わない。」私は引き下がってしまった。
休憩時間に演奏者が20人ほどやってきた。「Who are you?」と言う。「おまえは、カラヤンじゃないだろう。あんな引き下がり方はするな。そんなことしたら、誰もついてこなくなるぞ。」指揮の極意は、指揮台の上で思う事だ。絶対に、自分はこうやりたいと強く思う事だ。迷ってはいけない。

〇恩師からの最後のレッスン
渡邉暁雄先生から教わった事だ。「指揮者は悪口を言われる商売。しかし、絶対に自分が悪口を言ったら駄目だ。悪口を言ったら人間の格が下がる。音楽の品も無くなってしまう。だから、悪口を言われる側の人間になりなさい。」

〇プロフェッショナルとは
イングリット・ヘブラーと共演した。演奏会場に着いたら、ピアノはボロボロだった。彼女は本番までの2時間、ピアノの癖を掴むためにそのピアノを弾きこんだ。
本番での演奏は、想像をはるかに超える素晴らしい旋律だった。皆が、顔を合わせて驚いた。彼女が舞台袖に下がった時だった。「Of course. I am professional.(当たり前でしょう。私はプロなのだから) 」プロの神髄を見た瞬間だった。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『モチベーション』

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池田貴将

人生で起こることの大半は、この“モチベーション”が決めています
これからの人生がどうなるかは、すべてモチベーションとの付き合い方次第
いまゴールにどれくらい近づいているか、フィードバックを与えるだけで、達成度が上がる
「いい気分」をつくってから仕事に取りかかってもらった方が結果的に作業がはかどり、ミスも減る
消費ゴールによるモチベーションは、“平均して8週間しか持続しない”。
そう考えると今から2カ月先にごほうびを仕込んでおくのが、最も効率よくモチベーションアップができる方法になる
自分の価値観を思い出すと、自信が強まり、まわりの人に対する愛情が深まる
必要アクションの数が減ると行動が早まり 必要アクションの数が増えると行動がゆっくりになる
他人との比較よりも、自分の成長度合いによって評価された方が人は努力しやすい
インセンティブは、「成功したらあげる」より「失敗したら取り上げる」方が効果がある

「人の考え」は“理由”をたずねると強化され、“目的”をたずねると軟化する傾向がある
人数が多ければ多いほど自分ではない誰かが対処してくれると思いやすい
持って生まれた性格とは関係なく、役割は人間に大きな影響を与える
行動を叱り、存在をほめる人柄をほめると、道徳的なおこないを増やしてくれる
穏やかに快適に暮らす幸せもある。けど、あとで振り返ったときに「あのときは大変だったけど、よい経験だった」と思える方が、脳はより幸福を感じる
常識はずれな物事からはじめると、独創的なアイディアが生まれやすい
問題が「ある前提」でたずねた方が問題点をたしかめやすい

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『マイクロソフト伝説マネジャーのプレゼン術』

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澤円

〇プレゼン3つのゴール
1.聴いた人がハッピーになる
2.聴いた人から行動(決断)を引き出す
3.聴いた内容を他人に言いふらしたくなる

「相手から引き出したい行動」は明確になっているか?聞く人が「自分事」として受け止めてくれるような話をする(一般論に終始しない)
ある商品の営業をしている人のプレゼンというのは「商品の価値」を伝えるためにやっているのではなく、相手にとっての「ハッピーな未来」を伝えることが重要であり、相手から行動を引き出すことを目指しています

優れたプレゼンには「心に残る核」が含まれているITプロ向けのプレゼンでは「クリエイト トゥモロー」という核で話を展開しました。日々、縁の下の力持ちとして仕事をしているIT担当の人たちに「あなたたちは明日を作る仕事をしているんだ」というマインドを持って欲しかったからです。それが私が「持ち帰って欲しい核」だったのです

「簡単に」を「少ないステップで……」「ワンクリックで……」「この画面だけで……」などの表現に置き換えるだけで、より「簡単さ」が伝わりやすくなるはず

最大のコツは「あるあるを集めて、否定する」
インタビューによって「生の声」を集める97% 
200日まず九七%というのは、何かしらのサイバー攻撃によって「侵入されている企業」のパーセンテージです。97%の企業がすでに侵入されているって、すごい数字だと思いませんか。みなさん、安心してください。みなさんの会社もすでに侵入されていますから。こう言うと会場がどっとウケます。

やはり97%という具体的な数字にかなりのインパクトがあるわけです。もう一つの200日というのは、サイバー攻撃が始まってから発覚するまでの平均日数。つまり「会社のネットワークがハッキングされた!」「たいへんなことになった!」と社内で大騒ぎになる200日前には、すでに攻撃がはじまっているということです。というわけで、世の中には二種類の企業が存在します。
一つは「すでにハッキングされている企業」。
そしてもう一つは「ハッキングされていることに気づいていない企業」です。

これは私が勝手に言っているのではなく、FBIの長官がそう言ってるんですよ聴衆は「意外性のある数字」が大好き「共感型ストーリー」と「脅迫型ストーリー」の両方を盛り込む

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『毎日が小さな修行』

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塩沼亮潤大阿闍梨

こうして皆様の前に立たせていただいている私は、 七年ほど前まで、人前でお話しするのが大変苦手でした。
しかし、一所懸命修行に勤めていると不思議なご縁に恵まれて、 ある尊敬する方から、 「あなたが体験したことを言葉に託して表現しなさい」 と世間に引っ張り上げていただいたんですね。

その出逢いをきっかけに、いただいたお仕事は、すべて天命だと思って 全国を息つく間もなく、講演で駆け回るようになりました。
ただ、世間的な注目を浴びるようになると 驕る気持ちも起こってまいります。 だから私は、「一に勤行、二に掃除、三に追従(人が喜ぶことをする)、 四に阿呆(素直になる)」というお師匠からいただいた教えを戒めとして、 「自分は、あくまでお坊さんなんだぞ」と 絶えず自分の心を本来の勤めに引き戻していたんですね。

この七年間で様々な経験をさせていただいて分かったことは、 日常のすべてが自らの心を成長させる 修行となってきたということです。 あれが好き、これは嫌いというような わがままな心をコントロールして、嫌なことでも逃げ出さない。常に前向きにトライしていくことを積み重ねてきた結果、 こうして皆さんの前でお話しするという 尊い仕事をさせていただけているのだと感じています。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『シリコンバレー式最強の育て方』

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世古詞一

退職者に共通した隠れた退職理由がありました。それは「悩んだときに相談する人がいなかった」ということです
評価に対する不満とは、自分があるべきと思っている評価に対して、低い評価を受けていることに対するギャップです。ギャップが大きいほど不満は大きくなります。
どうしてこのギャップが大きくなるかと言うと、評価査定のときしか評価の話をしないからです

〇1on1ミーティングで話し合うテーマ【信頼関係づくりステージ】
1.プライベート相互理解
2.心身の健康チェック
3.モチベーションアップ【成長支援ステージ】
4.業務・組織課題改善
5.目標設定/評価
6.能力開発/キャリア支援
7.戦略・方針の伝達

〇「4つのレベルの雑談」で意図した雑談をする
レベル1 内容を話す(世間話)
レベル2 内容を聞く(部下自身の話)
レベル3 感情を聞く
レベル4 価値観を探る

「心身の健康チェック」で必ず確認する2項目
1.体調確認(メンタルと身体)
2.業務量

例えば、「最近、チーム内でいいなって思う人いる?」と部下であるAさんに聞いたとします。これには、Aさんの視点を他の人に向けさせて視野を広げるという教育的効果がまずあります。
続けてAさんが「Bさんが最近いいですね。先日も依頼した案件をこちらの予想以上に仕上げてくれて、本当に助かってます」と、感謝の気持ちを思い出すかもしれません。そうするとAさんの状態が良くなります。
人は感謝の念を抱いているとき、非常に幸福感が高まって良い状態になると、ポジティブ心理学の様々な研究で実証されています

グローバル企業では、1on1ミーティングで年次評価を次々と廃止
1on1を「定例」ではなく「イベント」として捉える
正しい1on1ではなく、笑いのこぼれる楽しい1on1を目指す

家族よりも一緒にいる時間が長いメンバーのことをどれだけ知っているでしょうか?

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『神様を見方にする法則』

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小林正観

超能力や超常現象を研究し続けてきて、いちばん面白いと感じているのが、「ありがとうの不思議」です。心を込めなくてもいいから、「ありがとう」と言うと、2万5000回を超えたあたりで、多くの例では、突然涙が出てきます(出てこない人もいます)。
なぜ涙が出てくるのかは分かりませんが、泣いて、泣いて、涙が出尽くした後に言う「ありがとう」は、ほんとうに心の底から感謝がこめられた「ありがとう」になります。
その心の底から湧いてくる「ありがとう」をさらにもう2万5000回ほど言って、計5万回の「ありがとう」になると、なぜか突然、幸せが現実化し始めるようです。

神様のもとでは本来“幸”も“不幸”も現象としては存在しないのですが、私が幸せで心地よいと感じることは存在します。そういった、私にとって幸せだと感じられる現象が、片っ端から起きていくのです。
本来の私たちは、すべてのことに感謝できる能力を、神様によってインプットされているようです。家族、夫婦、友人、知人、お金や仕事、健康…目の前のあらゆることに、心の底から手を合わせられるのです。
病気や事故のような、普通に考えると困難な出来事さえ、私たちは「ありがとう」と言うことができます。そういう私でいると、奇跡が起きます。

例えばガンになってしまったとき。「どうして自分だけが」とつらい思いをして、「ガン細胞は敵だ。ガンと戦うぞ」と決意する人は、ガンに倒れます。
それよりも、ガン細胞を味方だと思ってしまう方がいい。すると、ガンが味方をしてくれる可能性があります。このガン細胞に、話を聞いてみたとしましょう。「今のままの生活を続けると、あなたの体は死んでしまうよ。だから、違う生き方をした方がいいと思うよ」と、知らせてくれているかもしれません。

今のままの生活とは、「人生のあらゆることに感謝する」という生き方を忘れて、人生を思いどおりにしようと、がんばったり努力したり気合を入れたりすること。競争社会で生きていくために、競ったり、比べたり、争ったりすること。物事に対する優しさを失っていること…。

そういう生活を体が嫌がる。それで、ガンが出現するようです。ガン細胞がやっているのは、「あなたは本来もっと優しい人なので、それを思い出しなさい」という、はからいのようなものです。いつも笑顔で優しい人に戻るために、病気になる。だから、病気になったら「ありがとう」なのです。

私たちの多くは、目の前の出来事に対して、「状況を改善したい」「願いが叶えばいいのに」という夢や希望を持って、思い通りにならない物事をリストアップしがちです。
親は学校の先生から、「リストに挙げたことを思いどおりにすることこそが幸せだ」「夢や希望や望みや願いを語りなさい」「願望を実現しなさい」と教わってきたからでしょう。

でも、幸せな人生には、夢や希望はいりません。なぜなら、私の人生で起きることは、病気であれ事故であれ、100%、今の自分に必要な「ありがたい」ものだからです。
与えられたものに対して「まだ足りない」「別のものが欲しい」と夢や希望を持って、不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句を言うことは無意味。むしろ、「うれしい、楽しい」「あぁ幸せ」と言って、今ある幸せを数え上げてみる。

「ありがとう」と口に出して感謝する。そうすれば、膨大な数の幸せの存在に気づきます。「今この状況が幸せの極致なのだ」と気がついたら、私たちは今この瞬間に、幸せになることができます。
幸せとは、求めて求めて何かを手に入れることでなく、今、目の前に存在する現象について、「私」が「幸せだ」と思うこと。そこに尽きるのです。

『「ありがとう」という言葉は、もともとはお釈迦様の「有り難し」という言葉から来ている。
《人生の生を受くるは難く、やがて死すべき者の 今命あるは有り難し(発句教》』「人が生命を受けることは難しく、必ず死ぬことになっている者が、今たまたま命があるというのは、めったにないことだ」という意味です。
ありがとうとは、「めったにない」という概念から生じたのです。室町時代以前、この言葉は、神様のみ使われていたそうです。
当時の人たちは、人の力では成就しにくいことが成就したとき、「ありえないことが起きた」というのを「ありがたし」と言っていました。「ありがとう」とは、神様を褒めたたえる言葉。神様への感謝の言葉でした。
「神様。あなたのおかげで、めったにないことが起きました。感謝します」そんな言葉を言われ続けたら、神様だって、そう言う人に対して好意的になって、応援しだすのではないでしょうか』

人間関係の極意は、「味方を増やすこと」。敵も味方にすることができるなら、無駄なストレスや消耗はなくなる。敵とまともにやりあえば、お互いに傷つく。これは、病気で考えるとよくわかる。味方を増やす一番の方法は、「ありがとう」と「感謝」。「ありがとう」を乱発してみましょう。

仏教の一番の目的は、味方を増やすことでした。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『シンギュラリティ・ビジネス』

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齋藤和紀

ディアマンディスが提唱する「エクスポネンシャルの6D」
物事がエクスポネンシャル(指数関数的)に成長するとき、その多くのケースで「D」の頭文字を持つ次の6つの事象が連鎖反応的に起こる。
1. デジタル化(Digitalization)
2. 潜行(Deception)
3. 破壊(Disruption)
4. 非収益化(Demonetization)
5. 非物質化(Dematerialization)
6. 大衆化(Democratization)

1. デジタル化(Digitalization)連続的でとらえどころのないアナログな物事を、きちんと数えられる「データ」として扱えるようになれば、科学的に研究を進めることもできます。
デジタル化によってイノベーションがスタートした例としてわかりやすいのは、「写真」でしょう。フィルムで撮影して現像し、紙焼きで保存されていた写真は、ある時からデジタルデータとなりました。フィルムや紙という物質的な制約から解き放たれたわけです。
そこからエクスポネンシャルな進化を遂げる過程では、デジタル写真の成長を見抜けなかったコダック社が倒産するという象徴的な事態も起きています。

2. 潜行(Deception)デジタル化が起きた段階では、あまり大きなインパクトが生じない…これはエクスポネンシャルな進化の大きな特徴です。
指数関数のグラフは、初期段階ではほとんど上昇しません。しばらくは、ほぼ横軸と平行に近い形で推移します。直線的な成長をイメージする人にとっては、期待を下回るレベルにしかならないのです。これが「潜行」にほかなりません。デジタル化によって派手なイノベーションが起きると思っていた人々が、詐欺師に騙されたような気分になる。「裏切られた」という感覚にも近いかもしれません。
エクスポネンシャルな成長は、当初は誰も気づかないほど小さなレベルで進行します。

3. 破壊(Disruption)最初は「大したことないじゃないか」と失望していた人々が、「これは思っていたよりもすごい」と気づく。ディアマンディスはこの段階を「破壊」と呼びました。そこで破壊されるのは、既存の市場です。
デジカメをオモチャとしか考えていなかったコダック社は、ここで市場からの撤退を余儀なくされたわけです。近年では、スマートフォンの普及も爆発的でした。初めてアップル社のiPhoneが登場したときは、いわゆる「ガラケー」がこんなに早く市場から追い出されるとは誰も思わなかったでしょう。しかしその普及スピードは、ガラケーのiモードが普及した時の倍以上だったのです。

4. 非収益化(Demonetization)破壊的なイノベーションを果たしたのだから、その商品は大きな収益を上げるはずなのに、なぜ「非収益化」なのでしょう。ここで非収益化が起こるのは、その技術が生み出した商品そのものではありません。
たとえば写真のデジタル化によって、コダック社はフィルムという収益源を失いました。また、かつては「現像」にもお金がかかっていましたが、いまはそのプロセス自体がなくなり、私たちは写真を撮ってすぐにSNSなどにアップし、みんなに見せています。
このような例は、枚挙にいとまがありません。かつて長距離電話には高額な料金がかかりましたが、いまはSkypeやlineの無料通話などによって非収益化され、完全に過去のものになりました。ネットフリックスやHuluのような映像ストリーミング配信は、レンタルビデオ産業を非収益化しましたし、インターネット上の辞書や辞典は「紙」のそれと違って無料です。
ある技術の発展は、こうして既存の何かを非収益化するので、「被害」を被る側はあらかじめ対策が必要です。いつ、何が、どれくらい非収益化するのか表面的には見えにくいため、対応が遅れてしまうのです。たとえば日本でも、空き部屋を「民泊」に活用するエアビーアンドビーがホテル業界を、一般人の自家用車をタクシーとして活用するウーバーが運送業界を非収益化する動きは、すでに「潜行」から「破壊」の局面に入りました。その脅威への日本の対応は完全に後手に回っていると言わざるを得ません。

5. 非物質化(Dematerialization)非物質化は物やサービスそのものが消えることを意味しています。
たとえばデジタルカメラの普及によってフィルムを使う従来のカメラは消えましたが、それだけではありません。次の瞬間には、そのデジタルカメラも姿を消し、スマートフォンで使うアプリの1つになってしまいました。
これは、かつてパソコンの普及によってワープロ専用機が消えたのと似ています。
高機能の機械は、万能機器が登場した瞬間、そこに取り込まれてしまう。自分の手元にあるスマートフォンを開いてみれば、それがどれだけ機械を非物質化したかよくわかります。電話機、ICレコーダー、ゲーム機、テレビ、CDプレーヤーなど、多くの物がそこに取り込まれて消えてしまったのです。

6. 大衆化(Democratization)アプリ化したそれぞれの機能は、かつての「機械」よりもはるかに安く手に入るようになりました。それが「大衆化」にほかなりません。
カメラのように昔は富裕層しか手にできなかった高価な物やサービスが、非収益化と非物質化による当然の結果として、誰にでも手に入るものになる。これが、エクスポネンシャルな技術進化がもたらす連鎖反応の最終段階です。

『テクノロジーが進歩するスピードがこれまでと違う…これが、シンギュラリティが迫っていることの本質です。それをより深く理解するには、テクノロジーの進化が「指数関数的」=「エクスポネンシャル」に加速していることがもたらすインパクトの大きさを理解する必要があります』
エクスポネンシャルの成長曲線(成功曲線)は最初のうちはまったく変化のない一本の線だが、あるときから爆発的に右肩上がりに急上昇する。最初の頃の変化は、誰も分からない。しかし、それを積み重ねていくと、ある日突然、誰もが分かる大きな変化となってあらわれる。
AIがAIを作り、さらにそのAIがもっと優秀なAIを作っていく。その無限のループが、ある日突然爆発し、人類の知能をはるかに超えたAIとなる。それが、技術的特異点(シンギュラリティ)と呼ばれるポイントで、2045年に起こると言われている。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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危機感無き茹でガエル日本

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経済同友会

経済は中国をはじめとするアジアの新興国に
追い上げられている。
かつて日本のお家芸だったモノづくりも
お株を奪われている。
前向きな発想やヒット商品を生み出せず、
閉塞状態が広がっている。
一刻の猶予も無いにも関わらず、
日本の危機感は希薄だ。

世界の現状を鑑みても、グローバル化は止まらい。
米中は衝突モードに入った。
人工知能などの技術が発展するデジタル化。
世界中の誰もが発信できるソーシャル化。
これらが急速に発展している。
私たちを取り巻く環境は激変している。
こんな状態が続いているのに、
日本は積年の解を見つけられない。
看過できない状態であるのに、
そうした意識は共有されていない。

あるべき未来をしっかりと見定めて、
そこから逆算して現在やるべきことを考える必要がある。
経済の豊かさの実現、イノベーションによる未来の開拓、
そして社会の持続性の実現。
この3つをXYZ軸とし、その力の合成が未来の国家価値を生む。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『やばい老人になろう』

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さだまさし

2017年4月10日、僕は65歳になった。ほとんどの人は、死を恐れ、老いることを恐れるものだ。だが僕はむしろ、死を素直に受け入れ、どのように老いていくかを真面目に考えつづけてきた。
僕は、いったいどんな「じじぃ」として、生きるべきなのか。そう暗中模索しているうちに、ふと、周りから「ヘンなじじぃ」と呼ばれたいと思うようになった。

「フツー」ではなく、あくまでも「ヘン」がいい。自分の子供を育てるときに心掛けてきたのも「フツーはダメ」ということだった。
子供がちょっと変わったことをしたときも「すごい!ヘンでいい」と褒めてやった。「良いヘン」と「ダメなヘン」があることは教えたが、「フツーはダメ」ということだけは徹底してきた。
だから、自分もまた老人として「ヘンなじじぃ」であり「やばい老人」でありたいと思うのだ。

老いを恐れる人は、たぶん人生と真剣に向き合って生きてこなかった人だ。だから歳を取ると、後悔や不安でいっぱいになる。
だが、これまで一瞬一瞬を精一杯に生き、一所懸命に努力をしてきた人にとっては、老いることは怖いことでも悲しいことでもないはずだ。
そもそも「じじぃ」には、選ばれた人しかなれないものだ。

僕の同級生でも音楽仲間でも、「こいつがじじぃになるのが楽しみだな」と思うような奴が、思いがけなくガンで早く死んだりしている。そう思うと「じじぃ」になれるのは、ありがたいことなのだ。
僕が憧れる「じじぃ」、それも「やばい老人」の条件は三つある。

その一 「知識が豊富」
その二 「どんな痛みも共有してくれる」
その三 「何かひとつでもスゴイものを持っている」

僕の周りには、幸せなことに、そんな「じじぃ」や「ばばぁ」がたくさんいる。彼らに追いつき追い越すためには、まだまだ僕自身の経験値も実績も足りない。どうしたら「ヘン」で「やばい」と言われる「じじぃ」になれるか。毎日が挑戦の日々である。

『もともと、誰も掘っていない畑を耕してみたくなるのは、どうしようもない僕の性分だ。負けず嫌いのお調子者のことを、長崎弁で「のぼせもん」という。
遊びでも祭りでも、やたら仕切りたがるおじさんのことを、古い言い方で「おっちゃま」と呼ぶ。僕はまさに「のぼせもんのおっちゃま」なのである。
できることなら、陽気で元気で一徹な「じじぃ」をめざしたい。友人とワイワイ仕事をし、めいっぱい遊んで呑んで、若い仲間を巻き込みながら、友情の大きな輪を広げていく。そもそも、日本の年寄とは、そういう存在だった』

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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