艱難汝を玉にす

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上智大学名誉教授、渡部昇一

渡部先生は大学生時代よく勉励され、
試験での総合点は2番目の学生に
200点以上の差をつける好成績を修めながら、
念願の留学の機会が何年も与えられなかった。
若い苦学生にとっては
投げやりになって嫌になってしまうこともあるでしょう。
さて、渡辺先生はこの艱難をいかに乗り切ったか。

「自分を高めていく過程では、
常に何かの形で壁にぶつかるものである。
はたから見れば取るに足らない小さいことでも、
当人にとっては大きいことである。
そんなとき、なげやりになったり後退したりしないで
進むためには、いくつかの方法がある。

私の場合、聖書の中の
“最後まで耐え忍ぶ者は遂には救われるべし”という言葉と、
昔漢文で習った
“志ある者は事竟(つい)に成る”という言葉を、
あたかも念仏のように唱えることで心を静めた。

壁に突き当たったと感じるときは、
散歩しながらでも、寝る前でも、
この言葉を繰り返し唱えた」

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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