権威と同調の落とし穴 1

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日経産業新聞「新実践コミュニケーション改革」から。

さてクイズです。
ある小国。歯医者に行きたくなりました。
その小国には歯医者が2名しかいません。
一人は恰幅がよく貫録もあり、何度も歯の治療を受けていて
歯並びがきれい。
もう一人は、髪はぼさぼさ、貧相な感じで笑うと
ぼろぼろの歯が見える。
治療法が悪かったのか前歯が抜けており、
何を話しているか聞き取れないこともある。

慎重なあなたはどちらの歯医者を選ぶべきでしょうか?
答えは後程。よければ理由も考えて下さい。

関連する話として、権威と同調というものについての説明です。
私たちの行動は権威に大きく影響を受ける。
ひとつは権威あるいはそれに伴う権力におもねる、つまり追従。
「上司を怒らせたらやっかい、上司の言う事は
無条件で賛成しよう」という行動。

もうひとつは権威への同調。
権威がある人は立派な人。その人が言っているから間違いない。

だから同調しよう。
権威効果において追従型と同調型、
どちらか一方に偏ることはない。
一般的に2つのミックスで行動が規定されていく。

さて、冒頭の質問の回答です。
恐らく多くの方は「当然、見かけのいい方だよ」と
思われたと思います。
私もそうでした。貧相な感じはやはり嫌なものです。

でも、よく考えてみて下さい。
その国の歯医者は2人。ということは、
恰幅のいい歯医者を治療したのは貧相な歯医者。
完璧な歯並びのいい歯に仕上げている。
貧相な身なりの歯医者を治療したのは恰幅のいい歯医者。
ぼろぼろの歯にしたのもその歯医者ですね。

見かけの権威に騙されるとやっかいなことになってしまう。

さて、みなさんはここまで読んでどちらの歯医者を選びますか。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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