笑いと楽しさの関係

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日経産業新聞「新実践:コミュニケーション改革」から。

和歌山県中部、紀伊水道の近くの日高川町。
毎年10月、この町の丹生神社で「丹生祭」、
別名「笑い祭」が開かれる。
奇祭として知られるこの祭り、
顔を真っ白にした鈴振りのおじさんが
「笑え、笑え」の掛け声とともに練り歩く。

笑う理由はないのだが、鈴振りが「笑え」と声を張り上げながら自らも笑っている。
その姿を見た沿道の見物客も笑いが止まらなくなる。
この祭りは神々の会合に寝坊をして落ち込んでいる
氏神を元気づけるために行われるようになったという。

楽しいから笑うというのが一般的な順序のはず。
笑い祭では「笑うから楽しくなる」になっている。順序が逆?!
笑いには逆転性と伝染性があるという。
楽しいから笑うというだけでなく、
笑うから楽しくなるというのが逆転性。
笑顔を作ったり、笑い声をあげたりするという行為が
脳のある部分を活性化しそれによって、人が楽しいと感じる。

伝染性とは他人の笑顔を見たり笑い声を聞いたりすると
楽しさを感じる脳の部分が活性化し、自らも楽しくなる。

笑い袋というおもちゃ。ひたすら笑い声を反復するもの。
こうしたおもちゃの存在は
笑いにおける逆転性や伝染性の効果を狙ったもの。

笑いは一定のメカニズムのもとで増幅する。
「少し楽しい」を「とても楽しい」に増幅することが可能。
この増幅機能を逆転性と伝染性に加える。
笑いを想起させる映像や音楽を作り出す。

そしてこれを世界の紛争地域に流す。
音楽を聴いて笑いが起こり楽しくなる。
それが増幅され周囲に伝染する。
それで平和をもたらそうとする試みがあるという。

笑い、笑顔で楽しくなることは万国共通だ。
病気も治る効果もあるとも言われています。
しんどい時もできるだけ笑顔でいたい。
不景気な顔をしていても誰も面白くないですからね。

それにしても笑い祭の起源。
神様も遅刻をすると考える日本人の感覚がとても素晴らしい。
八百万の神を信じているこの国民性を
私は誇りに思い日本人であることをうれしく思います。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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