脳のキレを取り戻す、ワーキングメモリーの鍛え方

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米山 公啓

最近、脳のキレが悪くなったと感じることはないだろうか。

若い時なら、すぐに決断できたり、
同時にいろいろなことができていたのに、
どうも時間がかかってしまう。
そんな時は、脳の記憶の重要な機能である
ワーキングメモリーの機能が低下しているのかもしれない。

何も努力しなければ、年齢とともに確実に
ワーキングメモリーの機能は低下していく。
脳のキレを保つには、ワーキングメモリーの機能を
維持しておく必要があるのだ。

ワーキングメモリーとは

記憶には、今さっきというような短い時間の記憶である
短期記憶と、昔のことを覚えている長期記憶があるが、
ワーキングメモリーはそのどちらでもない。

ワーキングメモリーとは、何か目的を持って作業するときに
使っている記憶であり、
暗算でお金の計算をするときや、人と話をしているときにも
使っている記憶機能である。

また、創造性のある思考をするときにも
ワーキングメモリーが使われる。

ワーキングメモリーの機能がしっかりしていると、
幅広く、創造性ある思考が可能になる。
機能が低下していると、狭い領域での思考になって、
創造性ある思考ができなくなってしまう。

さらに、同時に物事を進めるときにもこれが重要で、
年齢に伴って同時に物事が扱えず、
一つずつでないと進められないといった場合には、
このワーキングメモリーの機能が低下している
ということになる。

ワーキングメモリーは前頭前野にあり、
これを鍛えることが可能だと最近では考えられている。

ワーキングメモリーを鍛える方法

1)新聞の短い記事を読んで、印象に残った単語を
4つ挙げてみる。
文章を読解していく能力と、言葉の記憶という
同時処理を行うことが脳を鍛える。
これは意外に難しいが、キーワードになる単語を
列挙してみよう。

2)電車の中吊り広告を見て、そこに書かれている
文章の単語を思い出してみる。
何気なく見ているだけでは脳を使ったことにならない。
広告から目を離し、何が書いてあったか思い出し、
そこに書かれていた印象に残った言葉を挙げてみる。

3)人と話をするとき、相手の話を記憶するように聞いてみる。
やたらと意見を言わず、まずは相手の話に集中し、
そこから何かを記憶する練習を心がける。

4)カラオケで新曲を覚えて、歌詞を見ないで歌えるようにする。
いつもの歌では、いつものように歌詞を見ながら
歌ってしまう。
それではワーキングメモリーの刺激にならないので、
歌詞を覚える練習をする。

5)文章を読んだり、音楽を聴いたりするときにも、
頭の中でイメージを作り出すようにする。
文章をただ読むだけでは記憶に残りにくいので、
できるだけイメージを作り出すことで、
記憶しやすくすることが重要だ。

6)3つくらいの要素を記憶するようにする。
出来事すべてを記憶するのは難しい。
要素がたくさんある分、記憶することは難しくなる。
3つの印象に残ることをまずは記憶してみよう。

7)楽しく記憶すること
ドーパミンが出ることで、さらに脳も元気になる。
例えば、趣味の園芸の本を読みながら
印象に残ることを記憶していく。
楽しいと思うときが重要なのだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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