『もうひとつの幸せ論』

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小林正観

〇「よき仲間」に囲まれるために、私たちは何をすればいいのでしょうか。
よき仲間に囲まれるためには、はじめに「自分から投げかけをすること」です。私は、「宇宙には、投げかけたものが返ってくる。投げかけないものは返らない」という法則があることに、40歳のときに自分で気づきました。
お釈迦様も「殺す人は殺され、怨む人は怨みを買う。また罵りわめく人は他の人から罵られ、怒りたける人は他の人から怒りを受ける」と説いています。この法則は物理学の「作用・反作用」、仏教の「動・反動」と同じこと。つまり、「愛すれば愛される」「愛さなければ愛されない」「感謝すれば感謝される」「感謝しなければ感謝されない」「嫌えば嫌われる」「嫌わなければ嫌われない」「憎めば憎まれる」「憎まなければ憎まれない」ということになります。
「仲間になって欲しい」と思う人を見つけたら、その人が笑顔になってくれるように、つまり、その人が「ありがとう」「うれしい」と喜んでくれるように、自分から投げかけてみましょう。そうやって「喜ばれるように生きていく」ようにすると、やがて相手からも「あなたのよき仲間になりたい」と思われるようになります。

〇「幸せ(しあわせ)」の語源は、「為し合わせ」。
お互いが「この人に喜ばれたい」と投げかけ合い、「してあげ合う(為し合う)」ことによって、「自分一人が喜ぶ喜び」よりも「はるかに大きな喜び」を感じることができます。
「老子」の言葉に「聖人はため込むことなし、ことごとくもって人のためにして、己いよいよ有し、ことごとくもって人に与えて、己いよいよ多し」という一節があります。老子も「人に与えることで、自分自身も豊かになっていく」ということを悟っていたのでしょう。

〇人は一人で生きていると「ヒト」ですが、他の人に喜ばれるように生きていくと、人と人の「間」で生きる「人間」に変わります。人の間で生きるということは、「自分が必要とされている」ということです。「人間」の生きる目的は、欲しいものを得たり、何かを成し遂げることではなく、
●「人の間で喜ばれる存在になること」
●「ありがとうと言われる存在になること」にほかなりません。
発する言葉や表情など、その人のふるまいが「まわりを喜ばせるもの」になっていれば、投げかけた結果として、まわりの人があなたにとっての「よき仲間」になってくれるでしょう。教え合い、学び合い、交歓し合う「よき仲間」に囲まれたなら、それだけで「天国度100パーセント」。頑張りも努力もいりません。ただ、「喜ばれること」を続けていけばいいのです。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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