『考え方』

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稲盛和夫

若い時は、どうしても人間、利己的になりがちですが、その利己的な考え方を削ぎ落とし、長期的な成功を呼ぶ『考え方』をインストールする。
自分だけよければいいという利己的な心や気まぐれな感情など、自分を悪しき方向へ導く「考え方」がもたらす判断基準しか持っていない人は、常に揺れ動く自分の心に左右されることになります

才能を使うのは「心」だ。「考え方」が自分の能力を動かしていかなければならない。心を失い、能力だけがあるという人は、「才に溺れる」と言われるように、必ず失敗します大切なのは、「こうありたい」と思い続けることです。「こういう自分でありたい」と思って一生懸命努力し続ければ、必ず人間は成長するものです
人生とは素晴らしい希望に満ちているものです。常に夢を描くことを忘れない、ロマンティックで明るい「考え方」を持ち続けていれば、未来は開けるのです「こうしたい」という思いに、「でも」「かも」といった濁りがあると、思いの持つ力はゼロになってしまいます。一切の疑念を捨て、その実現を信じて強く思い続けることが大切です
先が見えないなか、目標を追い続けるには、闇を照らす「光」が必要です。信念という光があるからこそ、その道を歩み続け、成功にたどり着くことができます自分が燃える一番よい方法とは、何でしょうか。
それは仕事を好きになることです勇気を生み出す源泉が、相手への思いやりです。自分を捨て、自分はどうなってもいいと思い、相手のために尽くそうとすれば、真の勇気というのは出るものです
自然界を見てください。植物は傷めつけられると、それに反発して、よりたくましく成長していきます。たとえば、自然に生えている木に比べて、剪定した庭木のほうが、さらに早く伸びていきます。剪定で木は枝を切られて傷めつけられますが、その傷みをバネにするかのように成長していくのです
必要なのは、自分個人だけを守る、あるいは自分の家族だけを守ればいいという「小さな愛」ではなく、多くの従業員を守り、幸福にする、ひいては社会の進歩発展にも貢献するという「大きな愛」です。その「大きな愛」に身を捧げる人生とは、やりがいのある幸福な人生だと私は思います

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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