「あなたが悪いから、変える」ではない

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エグゼクティブ コーチング トレーナー・秋山 ジョー 賢司

仕事を進める。このことは同じ目標。ならば、できるだけ生産的にしていくことを管理者は考えていかないといけない。ちょっとした気遣い、ちょっとした言葉のかけ方で、結果が異なってしまう。部下に仕事を任せたら、全然ダメなやり方をしているので指摘したい。このような状況は、当然起こり得ます。

その時、心の中で、あーあ、そのやり方ではダメだ。ほんと、わかってないな。そのやり方で、できると思ってるの?このようなマインドになるのはもっともですが、この言葉を頭に浮かべたまま部下に指摘すると、『お前が悪い』という部分だけが相手に突き刺さります。すると、存在を否定された感覚に陥るので、攻撃傾向の部下は反発し、依存傾向の部下はますます依存します。結果、逆に仕事が進まなくなります。

部下が「悪い」から、または、そのやり方が「悪い」から、変えさせたいのか。そうではないはず。そのやり方では、アウトカムに「機能しそうにない」ので、変えてもらいたいのですよね。これが本音。ならば、その通りに伝えて下さい。『キミのそのやり方では、アウトカムを達成できるとは私には思えない。』まずはこのことを明確に伝えます。

その上で、以下のアプローチを選択します。
(1)Aのやり方ではなく、Bのやり方で進めて欲しい。→やり方の変更をオーダーとして渡す。
(2)もっと機能するやり方を考えてくれ。→違うやり方を考えさせる。当然(2)の方が難易度は高くなります。
相手の能力を見極めて、どちらをチョイスするかがあなたの手腕なのです。ただし、どちらをチョイスしたとしても、「悪いから変える」ではなく「機能させたいから変える」。このマインドで接して下さい。

これは人事でも同じです。部下が「悪い」から、または、部下のやり方が「悪い」から異動させるのではありません。「機能しない」から変えるのです。

「悪いから変える」→「機能させたいので変える」このちょっとの違いがあなたのマインドに大きな影響を与えます。

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