「寛容な大阪」

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町田康

作家デビューした当初は、砕けた文体が酷評された。文学と言えば高尚なもので、まず道筋や理屈を書かないといけないと考えてしまいがち。ところが、人間の行動というものは、実は突拍子で説明もつかない。

「ほんでな、ほんでな」と横滑りして行くのが大阪弁の特徴だ。脈絡のない話や行動を何でもつないでしまう大阪弁の口語的な流れが、とりとめのない人間の生き方を表現する上でちょうど良かった。

今の世の中は、社会や人々に「理路整然であること」を求めている。息苦しさを感じている人には、物事を、建前よりも、本音や実感から組み立てる大阪の文化を見習えばいい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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