物事には両面がある

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日経産業新聞「新実践コミュニケーション改革」から。

プロ野球で好打者と評価されている選手。
「私たちにとってストレスなのは
打席に立ってアウトになること。
たとえ3割打者になったとしても、7割の打席はアウト。
一生懸命セーフになろうとしているのに、結局70%はアウト。
つまり仕事の70%は失敗。こんなつらいことはない」と。

私たち野球を観戦する側には全く思いもよらないことです。
でもよく考えてみたら
たいへんな仕事をしているということですね。

逆に、私たちの仕事で70%も失敗していたら
大変なことになります(笑。

さて、物事にはいくつかの面がある。
プロ野球の打者は安打、本塁打で評価される。
3割打者はほめ言葉。
でも安打、本塁打の裏にはアウトがある。
30%の成功に酔うのか70%の失敗を反省するのか。
(3割打者に、「7割もアウトになったのですか」と聞いたら
喧嘩を売るコミュニケーションになりますね。)

医者がこう問いかけた。
「この手術をすれば5年後の生存率は90%です」
みなさんはこの手術をうけるだろうか。
90%という数字を見れば受けてもいいと感じるのではないか。
さてこのフレーズを変更してみる。
「この手術を受けた場合、5年後までに10%の方は
残念ながら・・・」
こういわれると10%という数字が重くのしかかってくる。
10人に1人と言われるともっと現実味が増してくる。
さっきまで受けてもいいと思っていた手術が
危険に思えてくるのではないか。

私たちが知っておくべきことはコミュニケーションにおける
両面性を理解しないといけないこと。
相手がどのような立場で話をしようとしているのか、
自分はそれを見抜いているか、
裏の面を考慮して理解しているか。
こうした問いかけをしないと
正しい理解に到達しないということ。

最後に頭の体操。
「糖質30%オフ」「赤身80%の肉」
「99%安全なジェットコースター」
「99.9%噴火しない火山」。
違うフレーズで考えると何が見えてきますか。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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