『食事のせいで、死なないために[食材別編]』

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マイケル・グレガー、ジーン・ストーン

ある食品について「これは健康によいですか?」と質問されるたびに、私は決まってこう答える。「なにとくらべて?」
たとえば、卵は健康によいと言えるだろうか? オートミールとくらべれば、「ノー」だ。けれども、朝食の皿に卵と一緒に載っているソーセージと比べれば、答えは「イエス」になるベーコン、ハム、ホットドッグ、ソーセージ、缶詰肉などについても、ただ「控える」ようにとは言っていない。

「がん予防ガイドライン」では、「加工肉は避けること」ときっぱりと述べている
もっとも健康によい食事は、未加工の植物性食品をできるだけ多く摂り、動物性食品と加工食品の摂取量をできるだけ控える食事だ
加工することで食品の健康度がアップする場合もある。たとえばトマトジュースは、トマトの果実をそのまま食べるよりも、抗酸化作用のある赤い色素、リコピンの吸収率が5倍も高くなる

毎日食べるものにくらべたら、特別なときだけ食べるものの影響力は取るに足らない。だから、誕生日のケーキにはどうしてもベーコン風味の食べられるキャンドル(実在の商品!)を灯したい人は、我慢せずに楽しめばいい

健康的な食生活を始めると、味覚は確実に変わっていく
がん予防のための提言のひとつは、全粒穀物や豆類(どちらか、あるいは両方)を毎食摂ることだ
味噌汁は胃がんのリスク上昇にはつながらないことが分かった。塩の発がん作用が、大豆の抗発がん作用によって中和されるようなのだ

じつは世界の多くの国々において、「豆をよく食べる高齢者ほど長生きする」ことが分かっている
ベリー類の摂取量がもっとも多かった人たちは、心血管疾患の死亡リスクがきわめて低い

トマトソースやトマトジュース、ケチャップをいくら摂っても、製造過程でトマトの種は除去されてしまうため、有効成分は摂取できない。したがってトマト製品を選ぶときは、トマトソースやピュレやペーストではなく、ホールトマトやカットトマトなどの缶詰を選ぶとよい

ナッツはたしかにカロリーが高いが、「食の相殺」メカニズム(食べすぎを防ぐ)と、一部分は体に消化吸収されずに排泄されること、そして体の代謝を高めて脂肪を燃焼する効果が組み合わさって、腹回りを引き締めるための頼みの綱となってくれる

2017年9月22日の日経新聞に、「糖尿病 初の1000万人」という見出しのニュースが載っていましたが、病気になれば、仕事もへったくれもありません。また、患者が重症になれば、国家に著しい医療費負担をもたらします。
「生産性を上げよう」といって時短に取り組むビジネスマンは多いですが、食事を変えようというビジネスマンはまだまだ少ない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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