チームワークも変わった

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太田肇、同志社大学教授

日本人は、職場集団レベルの改善活動では、成果をあげても、宇宙開発や大がかりなシステム開発などの大規模プロジェクトでは、欧米に太刀打ちできない。

日本人は決まった仕事を同じメンバーでこなすのは得意だが、新しい仕事を異なるメンバーで行うのは苦手だ。という評価が定着しつつある。
その背景には、求められるチームワークのスタイルが変化している現実がある。

工業社会では、製造現場でもオフィスでも同質な人が一緒に仕事する事が当たり前でした。
ところが、定型業務が機械化、IT化された今は違ってきた。専門や立場の違う人が同じ目的の為にチームを組んで仕事する事が増えている。さらに、女性の進出や就業形態の多様化、それにグローバル化で多様な人々が一緒に仕事をする機会が増えている。

こうなると、同質なチームから異質なチームへの変化は避けられない。そのうえ、経営環境も多様化し、変化が激しくなるとそれに適応するためにも多様な人材を確保しておく必要がある。
多様な人材を確保しても、共同体組織の中に閉じ込めてしまえば個性を発揮する事は出来ない。専門能力を高め、個性を育てるには、切磋琢磨する機会を与える事が大切だ。
専門能力や個性を伸ばしながら、互いに刺激し合い、成果に繋げるチーム作りが求められる。日本では、これまでチームワークと言えば、自分を殺す事でした。これからは、逆に一人一人の長所を生かしてチームに貢献するのがチームワークだと発想を切り替えねばならない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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