「権力の終焉」 

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モイセス・ナイム

当選した時のトランプの選挙戦の背景を見る。期待感の革命と参入障壁の低下だ。期待感の革命とは、情報アクセスの進化がもたらした。

「どこか他に、もっと良い社会があるはずだ」という漠然とした改革への期待感のことである。トランプに期待したのではなく、漠然と改革に期待した。

参入障壁の低下とは、巨大な組織背景を持たない素人でも大統領選挙にエントリーできるようになった事だ。これらが現代社会の、あらゆる局面で不可逆的に権威の失墜を招いている。

一口に「民主主義」と言っても、その内容には、多数決選挙や当地の正当性、法の支配などいろいろな問題が含まれる。民主主義に勝る体制が他にないとすれば、後は各問題の行き過ぎを防ぎつつ、それをどのように上手く機能させるか、という調整の問題である。

トランプはどこまで傲慢を捨てて、中庸や調整という徳を出してくれるだろうか。当時から心配されていた。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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