「親鸞と日本主義」

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中島岳志

なぜ、大乗仏教の「絶対他力」の教えが、
国家神道の「国体」の教えと一つに結び付いたのか。

明治維新の原動力となり、
国体という概念を作った江戸の「国学」。
国学を興した本居宣長の思想に、
浄土教は甚大な影響を与えていた。

法然および親鸞にとっての阿弥陀仏こそが、
宣長にとっての神であった。
そして、神に直接連なるのが天皇であった。
天皇は、無限で絶対の存在となった。

浄土教が国体論に影響を受けているのではない。
国体論が浄土教の影響を受けているのである。

法然・親鸞の思想構造が、国体論の思想構造を
規定しているのである。

日本で近代を準備し、近代を可能にした
最も革新的な考えである国体論は、
最も破壊的かつ破滅的な教えである浄土教だった。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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