仮想コインで資金調達

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IPOは、新規株式公開。企業が上場する際に新株を発行し、広く買い手を募って資金調達をする。
ICOは、イニシャル・コイン・オファリング。企業が株ではなくて、独自の仮想コインを新規発行して個人投資家などから買い手を募る。

IOCで発行するコインに価値を持たせる仕組みは、発行企業によって千差万別だ。それによって、コインの性格も大きく変わる。

新しい決済サービスが完成した後に、そのサービス内で使えるようになるコインなら、クレジットカードのポイントに近い。
開発中の新しい仮想通貨と完成後に交換できるコインなら、通貨のような決済手段と成り得る。
他の企業のICOに投資するファンドの持ち分のようなコインなら、限りなく株式や投資信託といった有価証券に近くなる。

米証券取引委員会は、宣言した。IOCで発行されるコインは、条件によって有価証券に該当する。だから、投資家保護を念頭に規制対象にする。
シンガポールの中央銀行も同じ声明を出した。完全に自由なIOCを許す主要資本市場はなくなる。

世界的なIOC人気は、ビットコインなど仮想通貨の値上がりの連想から、短期の利ザヤを狙う投機熱が高じてしまったからだ。
それに乗じた詐欺や発行企業の破たんが相次いでいる。投資家が、悪貨の横行に懲りれば一過性のブームに終わる。
一方で、IOCが正当な選択後、良貨として広がれば、従来の資本市場を補い、起業家の育成を促す触媒となる。自由と規制のバランス、利用企業の良心が必要条件になる。

エンジオイル、OEM仲間の経営塾より

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