『スタンフォードでいちばん人気の授業』

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佐藤智恵

スタンフォード大学経営大学院でも「ビジネスにおけるストーリーの力」という授業がここ数年、看板授業として君臨している。教えているのはジェニファー・アーカー教授。この分野の第一人者の人気教授だ。

なぜ今、「ストーリー」がこれほど注目されているのだろうか。ストーリーは企業に利益をもたらすからだ
アーカー教授は、ノードストロームのスノータイヤの話のようなストーリーを総称して「シグニチャー・ストーリー」と呼んでいる。英語でシグニチャーとは、署名・サインという意味だが、「看板となるような」という意味で使われることもある。レストランの「シグニチャー・ディッシュ」といえばその店の看板料理のことだが、シグニチャー・ストーリーとはいわば企業の看板ストーリー。
ブランドを広め、企業イメージを高め、顧客との関係を築き、戦略を実行する原動力となるストーリーのことだ

エアビーアンドビーは、「宿を提供している人たちは皆さんと同じ善良な市民ですよ」ということをアピールするために、ウェブサイトに「ストーリーズ」というコーナーを設け、宿主の人生や生活をビデオや写真で紹介している

アーカー教授
「ポイントは、『社員がヒーローとなるようなストーリー』を見つけること」

「新製品を世の中に出す際には、必ず『ちょっと待てよ。人間の脳はそこまで対応できるかな』と精査することが大切なのです。エンジニアや専門家がつくりたい製品ではなくて、人間の脳にとって心地よい製品を世の中に出してください。それが成功する製品の秘訣なのです」(ジョナサン・レバーブ准教授 Jonathan Levav)

「この家を買うべきか否か」といった大きなことを決断するときには、たくさん物件を見せられた後に決断しないこと

創業者は自分でルールを決められますが、普通の人は、決められたルールの中で、出世競争を勝ち抜いていかなければなりません。権力を手に入れるためには、理想を追い求めるだけではだめなのですが、その現実を創業者リーダーからは学べません(フェファー教授)

〇すべてのコミュニケーションの基本「AIM」
A=Audience(聴衆):どんな属性の人に伝えるのか
I=Intent(目的):伝えることによって相手に何をしてほしいのか
M=Message(メッセージ):どんなメッセージを伝えれば相手は行動してくれるか

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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