「癌予防は生活習慣から」

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中川恵一、東京大学病院准教授

聖人君子とヘビースモーカーを比べると癌になるリスクは雲泥の差がある。発癌リスクは、日々の暮らしでかなりコントロールできる。喫煙は癌の原因の3分の1を占める最大のリスク要因だ。この世からたばこが無くなれば、男性の癌の3~4割が消滅する。タバコの包装には「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」という言葉がある。喫煙は、肺癌だけでなくほとんどの癌を増やす。だから、ヘビースモーカーが肺癌の検査ばかりして、他の癌で命を落とすことは数知れない。受動喫煙でも肺癌は3割も増える。

アルコールが百薬の長なのは、1合くらいまで。2合以上になれば、肝臓癌、大腸癌、喉の癌などのリスクを高める。特に、顔が赤くなりながら深酒をするのは要注意。これにタバコが加わるともっと危険になり、赤くなって3合以上飲み、同時に喫煙すると、食道がんのリスクが30倍以上になるデータがある。

熱い飲食物は食道がんのリスクを高めるので、猫舌くらいが、ちょうどいい。

運動不足、肥満、野菜・果物不足も癌を増やす可能性がある。糖尿病になると、発症リスクは増える。癌全体では2割、すい臓がんや肝臓がんは2倍になる。

車の運転に例えると、生活習慣は安全運転に相当する。シートベルトに当たるのが、早期発見だ。癌は、よほど進行しない限り、症状を出さないので早期発見のためには定期的な癌検診が必要だ。生活習慣と、癌検診の2段構えが特効薬なのだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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