『悪口を言われたとき』

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脳科学者、中野信子


裏切られた、騙された、ひどい悪口を言われた………
誰かから与えられた傷は、
自分自身が失敗するよりもはるかに深いものになります。
こんなとき、意志の力で「早く忘れよう」と
すれば するほど、
「やっぱり忘れられない」という矛盾に苦しみます。
こうした対立では、必ず意志の力が負けるのです。
そんな時は、むしろその苦しみや傷と
向き合ってしまいましょう。
そのひどい出来事自体を変えることはできませんが、
それが自分にとってどんな意味があったのかという
評価の部分はいくらでも変えることができます。


「最悪」という評価に終始するのか、
それとも「たしかに傷ついたけれど、
おかげで自分の甘い部分がわかった」と思えるのか。
評価を変えることで成長し、
その後、同じような目には遭わなくなるかもしれません。
だから、忘れようとするよりも、
それを反芻して思い出せるようにしておくことの方が、
実は大事なのです。
もちろん、いうほど簡単なことではありませんから
周囲の力も借りましょう。
友だちに話を聞いてもらうなど、
言語化することでずいぶん楽になるはずです
《人間関係の傷を癒やすには、無理に忘れようとしないこと》


何か嫌なことが起きた場合、
「それは何の意味があるのか」と考えてみる。
たとえば、知り合いから、〇〇さんがあなたに対して
「ひどい悪口を言っているよ」と聞かされたとき。
「嫉妬の対象になっているんだな、
これも自分のステージが一つ上がったということ。
ありがたい。」と視点を変える。
脳は、主語を理解できない。
他人に言った言葉は、
すべて自分のこととして捉えてしまう。
他人に言ったつもりの悪口も、
自分に対して言っているのと同じことになる。
つまり、相手が悪口を受け取らないと、
悪口を言った本人だけのものになる。
だから、悪口を言われたとき…
「ああ、自分(言った本人)のことを言っているんだな。
かわいそうに」と、視点を変える。

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