「哲学者と批評家」

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東浩紀

批評と哲学は明確に区別できない。日本では哲学と言えば、大学の研究分野を意味する。しかし、哲学そのものは哲学者の研究よりも広い。哲学研究の外にある哲学は、日本では文芸評論と結びつき、批評と呼ばれてきた。だから、哲学と批評は明確には区別できない。

海外、特に英語圏では、哲学と理論に分けられている。本来は哲学と呼ぶべきものが、批評や理論と呼ばれる。すると、哲学科に進んでも、最先端の哲学が学べるとは限らない。初学者にとって、誰に師事し、どの本を読んだら最先端の哲学に出会えるのかさっぱり分からない。

哲学を良く言えば、哲学の拡張性や多様性があるからの混乱であるが弊害も大きい。1990年代だと、大学内で複数の専攻を横断して、さらに大学の外でも仕事をして情報を集める。そこまでしないと、最先端の思考シーンには触れる事が出来なかった。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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