ドラッカーのマーケティング

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1.企業の目的は顧客の創造であり、
 その中心がマーケテング活動である。
2.マーケティングとは、販売を不要にする品揃え、価格付け
 流通チャンネル選択、販売促進の活動である。
3.マーケティング活動は、会社の全部門の人たちが参画する
 マーケティング委員会で推進する。
4.マーケティングとは、つまるところ自社を
 ブランド化することである。

企業の目的は顧客の創造である。
したがって企業は2つの、
ただ2つだけの企業家的な機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである。
この2つだけが成果をもたらす。
他のモノのは、すべてコストである。

1.マーケティングとは何か
マーケティングの理想は販売を不要にすることである。
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、
顧客に製品とサービスを合わせ、
自ら売れるようにすることである。
マーケティングとは、売れる仕組みづくりだ。
売れる仕組みを作るには、顧客の視点に立って、
自社の製品・サービスを考えねばならない。
顧客にとっての有用性、つまり顧客が解決したい問題とは
何かを徹底的に考察する。
そのためには、顧客に聞く以外に方法はない。

顧客にとってのコア価値は、便利さ、品質、デザイン、
堅牢さ、価格、アフターサービス、こだわりなどが挙げられる。
ここは妥協無く、徹底的にこだわりたい。
次にレスポンス・スピード、そして顧客一人一人への対応、
ホスピタイティと続く。ここは自利自他の精神が反映される。

2.マーケティングで考えるべき要素
マーケティングには3つの段階がある。
まず、市場を調べ、自社のターゲットと立ち位置を明確にする。
次に、製品・サービスを具体的にデザインする。
最後に、マーケティング活動のあくなき実践展開となる。

マーケティングを具体化するために、
自社の製品・サービスについて、4つのPをデザインする。
4のPとは、PRoduct(品揃え)、Price(価格)、Place(流通チャネル)、
Promotion(販売促進活動)を言う。
品揃えとは、自社がカバーする製品・サービスの範囲。
どこまで揃っていたら顧客がいいなと感じるか。
価格は、ただ1つの利益をもたらすマーケティング要素だ。
値段は決して安ければ安いだけ良いものではないことは、
日頃渡したちが痛感しているところ。
どのようなチャネルを通じてものを販売するかの
選択が流通チャネルだ。
一般的には、エージェントを通すか、直販するかになる。
最後に販売促進手段の工夫がある。
品揃えと価格は基本的なマーケティング要素だが、
それが決まったら販売促進の工夫が
マーケティングの醍醐味となる。

・顧客開発のプロセス
 チャネル→アクション→反応→訪問→提案→見積もり
→受注→生産納品→定期訪問
・チャネル
 既存顧客 紹介 潜在顧客
・アクション
 ホームページ 各種サイト 商談会・展示会 飛び込み営業
 交流活動 マスコミ紹介 SEO対策 ニューズレター 
 会社案内・パンフ 工場見学

・営業活動の手順を思い出しマップを作る
・必要な成果量から必要な行動量を決める
・モデルの勘所、ボトルネックや課題を考える
・それにより、課題の目標管理シートを作る
・また、モデルを基に経営のコクピットを作る
・毎月、フィードバックを得て、振り返りを行うと
 問題点が分かり、業績が確実に上がる

これとは別に、実際の販売活動の設計と訓練による
販売の強化活動がある。
BtoB企業では営業部隊の訓練を行う。
内容は、営業プロセスの標準化(営業MAPの作成)と
商談プロセス・プレゼン力・傾聴力・交渉力の訓練、
そして営業チームのマネジメントの確率だ。
BtoC企業の場合には、マーチャンダイジングの諸要素、
店構え、品揃え、展示法、クリンネス、ホスピタリティなどの
工夫と訓練になる。
これらの全ての活動において、考え方の大鉄則は
自分が顧客だったら、何を望むか、どう感じるかだ。
[顧客中心主義]

3.マーケティングの実践法
マーケティング活動を実践する場合には、
全部門の人間が参画するマーケティング委員会を立ち上げ、
そこでテーマを決めて、マーケティング活動の
実践と振り返りを積み重ねていく。
マーケティングとは、企業の成果すなわち
顧客の観点から見た企業そのものだ。
したがってマーケティングに対する関心と責任は、
企業のあらゆる分野に浸透させねばならない。

4.マーケティングは戦略経営における企業活動の中核である
ニッチNo.1の地位を築き上げることが高業績企業の条件だ。
それは自社をブランド化することでもある。
マーケティングとは、結局のところ、ブランディングなのだ。
ブランディングとは、自社の製品・サービスを
ピカピカに磨き上げ、
徹底してデザインに拘り、最高の奉仕の心を磨き上げることだ。
それは自利自他の精神であり、
徹底して本質に拘る禅と道(茶道など)の精神を基にした
活動である。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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