『人生の100のリスト』

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ロバート・ハリス

僕はこれから一体、どんな人生を歩んでいけばいいんだろう。十九歳の時、このことについて真剣に考えた。そしてその結果、100の項目からなる「人生のリスト」を作成した。自分の将来を決定づけるようなリストだった。これを作ったおかげで、今の僕がこうしてここにいる。
ある日、ホステルで手にした雑誌の中に、興味深い記事を発見した。それは「一生のうちにやり遂げたい100の冒険」というリストを作ったアメリカの冒険家の話だった。「気球に乗って大西洋を横断する」「デス・バレーを歩いて渡る」「ガラパゴス島へ行く」といったアウトドアの冒険ものがほとんどだったが、彼はこのリストを大学時代に作成し、三十年かけてすべて達成したのだ。

頭の中で、フラッシュがたかれたような気がした。彼はこのリストを作ることによって、彼独自の人生のシナリオを書き上げたのだ。そしてそれを一つ一つ演出しながら、彼にしか進めない道を歩んでいったのだ。今の僕に必要なのは、まさにそんな具体的なシナリオだと思った。これでいいと思った。
誰が何と言おうと、これが自分のやりたいことなのだ。やっていくしかない。これさえあれば、大学がどんな無意味な所であろうと、社会に出てどんなつまらないことをやるはめになろうと、自分の欲望だけは見失わないでいける。

オスカー・ワイルド「オレたちはみんなドブの中にいる。でもそこから星を眺めている奴らだっているんだ」
どんな夢を実現しようと、心がハッピーでなければ何の意味もないやりたいことを自由に連想し、書き記していくことは、将来を見つめるための最良のエクササイズとなった。頭でゴチャゴチャ考えるのではなく、イマジネーションを解き放って、自分の可能性を一つ一つ思い描いていく……。このプロセスのおかげで僕は何時間腰を据えて思考しても思いつかないような未来図を描き上げることができたし、自分が何に向いていて何に向いていないのか、はっきりと把握することができた。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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