『人生を変える』

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本田健

人生は、つきあう人によって、大きく変わります。人生を変えるのに、てっとり早い方法は、洋服を変えること、つきあう人を変えることの二つ。

あなたが体験している失敗は、つきあっている人が原因である可能性があります。最新の心理学の研究では、あなたが日常的につきあっている人たちの幸せ度合いが、あなたの精神状態に大きく影響する。友人との関係も、あなたが積極的に新しい友人を作っていくタイプでなければ、固定化しているのではないでしょうか。すると、ふだん行くレストラン、旅行先もだいたい同じようなところになっているはずです。もし、あなたが大企業に勤めていたら、これからの年収がだいたい予測できるはずです。

変えたいなぁと感じたなら、自分がこれから行きたい世界の住人とのつきあいを始めることです。もし、今つきあっている人が、本来あなたがつきあう人でなければ、その関係を変えなければいけません。

ある人が、仕事仲間から愚痴を言い合う飲み会に毎晩のように誘われるのを断って、弁護士になる勉強を始めました。最初は、仲間にひどいことを言われましたが、そのうち、つきあいもなくなりました。数年して、試験に合格し、彼は弁護士になりました。あるとき、弁護士仲間とでかけたところ、昔の同僚グループが、偶然一緒のお店の隣のテーブルにいたのを見つけたそうです。彼が、そのまま変わらなければ、愚痴を言うグループにそのままいたことでしょう。つきあう人によって、人生はまったく変わるのです。

いくら人生を劇的に変えたところで、身近な人たちが幸せでなかったらそれは何の意味もない。家族や身近な仲間たちを不幸せにして、自分だけ成功したとしてもそれは偽りの成功。自ら変化を求めなくても、自らの魂を鍛え、日々修養し、人格を高めていくなら、自ずと付きあう人は変わってくる。
逆にいうなら、普通、自分よりレベルの高い人が、何の取りえもないようなレベルの低い人間とつきあってくれるはずがない。

また、環境を変えることによって運命を変えることもできる。環境を強制的に変えれば、つきあう人も自ずと変わってくる。悪に染まるような環境にいれば、悪に染まりやすいし、逆に周囲全員が、ポジティブで、新しいことに挑戦することが好きな勉強会やグルーブや会社に入れば、自ずと自分もそうなっていく。「人は環境によって大きく左右される生き物」だからだ。つきあう人によっても人生は変わる。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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ほんの少しの差が大きな差になる

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カクヤスグループ会長、カクヤス社長、佐藤順一

1店舗の商圏は半径1.2㎞でやってみたら配達効率が良く、コストも店頭販売とあまり違わない。そこで、送料を無料にして店頭価格でお届けすることを考えた。しかし、1996年には酒の市場が縮小に転じる。縮小マーケットではたくさん売っても、いつか報酬はもらえなくなる。つまり安売り商法が通用しない。さらに1998年には、酒販免許に関する規制緩和を2003年までに実施すると決まった。宅配の大手やスーパーが酒販免許取得したら、まったく勝てない。これが1990年代後半に私が診ていた市場だ。

カクヤスは配達をやるから景気がいいと知られてしまえば、大手の宅配が参入してくる。それを許せば勝てない。では、大手ができない配達とは何か。私は売り手である私たちの都合を徹底して排除することを考えた。当時の家庭への配達は、当日配達ではなかった。また5000円以上など金額や数量が決められていた。これらをすべて撤廃できないかと考えた。それまで半径1.2㎞の商圏で1時間あたり4.2件の配達ができていた。これならば注文から2時間以内に届けられるという読みもあった。都内23区全域どこへでもを可能にするには半径1.2㎞の商圏を横展開すればいい。この商圏の面積は1.2×1.2×3.14で出る。その面積で都内23区全体の面積を割ると、137という数字が出てきた。

2000年、毎年30店舗ずつの出店を決めた。価格軸ではなく、お届け軸で戦う。天命も「酒 スーパーディスカウント大安」から「なんでも酒やカクヤス」に変更した。酒販面器を持つ酒販店やコンビニを買収して店舗を増やし、2003年には予定どおり23区全域をカバーした。
しかし、当時の経営は厳しかった。価格戦略は結論が早い。安いことを訴求すればお客は入る。でもお届けでの付加価値戦略は時間がかかる。100円高くても宅配を選ぶ人もいれば、5円しか安くないのに店舗まで買いに来る人もいる。宅配が便利かどうかは、そもそも一度使ってみないと分からない。だから時間がかかる。当初、出店から半年で黒字化する予定だったが、実際には3年目にならないと黒字化できなかった。出店計画を進めながら、大きな赤字を抱えることになった。それでも、買収した店にはキャッシュが入るし、その店への売掛金は溜まっていくのでカクヤスの帳簿は傷まない。赤字を垂れ流しながらも、出店を続けられた訳だ。

若手営業スタッフの一言が苦境を救ってくれた。飲食店の中にも、急ぎの時にはカクヤスの店舗で買っているところがある。そこで、従来は倉庫からトラックでルート配達をしていた飲食店向けの業務用配送をルート配達より早い店舗からやってみた。すると大好評だった。飲食店の方が一般家庭よりも、2時間で届くサービス喜んでくれた。十数年やって積み上げた一般家庭むけの売り上げを飲食店むけの売り上げはわずか3年で抜き、会社は黒字化した。

2011年、年商1000億円を達成。2019年、東京証券取引所第2部に上場した。

コロナ禍が襲う。売り上げ構成は一般向け配達が3分の1、飲食店向け配達が3分の1、店舗での販売か3分の1だった。飲食店向けのほとんどが消失してしまった。飲食店向けの穴を家庭向けでカバーすべく、店舗からの宅配倍増計画を策定した。また、酒だけでなく、正午から夕方までの暇な時間には酒と親和性の低い商品、調味料やペット用品、介護用品なども配達する態勢を整えた。それと同時に、飲食店の需要が回復した時に拡大した宅配部門を縮小できないから、これまでの配達とピストン宅配の他に、業務用専門のサテライトの出荷拠点を30か所整備し、ルート、宅配、サテライトの3層物流を実現した。

コロナ禍で30億円もの赤字を計上する中でテレビCMを打つと決めた。コロナ禍で家飲みが増えている今こそ、売り上げを伸ばす時だからだ。コロナ禍を乗り切らないと先は無い。
こんなサービスがあったら顧客は嬉しいよねというものを、まずはやってみようと思う。やってみて数値で検証し、駄目ならやめればいい。他社に大きな差をつけるサービスは、もう、あまり残っていない。でも、でかいことををやる必要はなく、細かいことが大事。ほんの少しの差でお客さんに選んでもらう。その積み重ねがいつか途轍もない差になる。勝ち方とはそういうものだと思う。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『心をつかむ技術』

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カート・モーテンセン

誰かから何かをしてもらったときに、「なんとしてでも、このお返しをしなければならない」という心理が働く。お返しをすることで、相手への貸しをなくすことができるからだ。「人に親切にすれば自分も親切にしてもらえる(情けは人の為ならず)」ということわざは、どの文化圏にもあてはまる。

たとえば、相手が笑顔を見せてくれれば自分も笑顔を見せようとするし、相手がほめてくれれば自分も相手をほめようとする。別にお返しをする必要がないときでも、人々はできるだけ早く借りを返そうとする傾向がある。場合によっては、借りを返そうという思いが強くて、してもらったことよりはるかに大きなお返しをすることすらある。

私は家族とともに新しい地域に引っ越したとき、妻と二人でささやかなクリスマスプレゼントを近所のすべての家に配って歩いた。どれも5ドル以下のプレゼントだ。近所の人たちとも顔見知りになりたかっただけだが、私たちが全員にプレゼントを手渡して30分もしないうちに、玄関のドアのベルが鳴った。ドアを開けると、一人の婦人が大きな箱を持って立っていた。箱の中には、50ドルはするような大きなチョコレートが入っている。彼女は「この町へようこそ、よい休日をお過ごしください」と言って立ち去った。彼女は突然できた借りに耐えられなくなり、そのお返しとして、受け取った贈り物の10倍以上の値打ちのある贈り物をしたのだ。

借りを返さなければならないというプレッシャーはたいへん強く、また、借りを返さないような人は軽蔑される。贈り物を受け取るだけでお返しをしない人は利己的で強欲で人情味がないと見られやすい。人々が借りを返さずにいられないのは、そういう心理的・社会的なプレッシャーによるものだ。
たとえば、相手の心の中に貸しをつくるために、あなたが与えることができるものを考えてみよう。たとえば、次のようなリストができる。サービス、情報、譲歩、秘密、ほめ言葉、笑顔、贈り物、招待状、時間

ただし、このテクニックが相手の心の中にお返しの必要性をつくり出すのは、相手があなたの行為を誠実で、妙な下心がないと思う場合に限られる。もしあなたの行為を罠だとか賄賂だとか思えば、相手はその手に乗るまいとするだろう。相手を利用して自分だけが利益を得る目的で貸しをつくろうとすると、あなたは確実に説得力を失う。
人々はあなたの下心を見抜き、あなたが差し出す贈り物をいっさい拒否し、場合によってはあなたといっしょにいることさえ嫌がるだろう。相手はあなたの贈り物を罠だと思い、あなたが「早く貸しを返せ」と言ってくることを警戒するにちがいない。心をつかむ達人になるためには、あなたはまず自分の動機が不純でないかどうかを検証すべきだ。

「返報性の原理」
人は何か他の人からプレゼントやおみやげをもらったりすると、その相手に対して「お返しをしなければいけないと思う」、この感情を言う。魅力のない人は、この返報性の原理からはずれている人だ。魅力というのは、人に与えることによって生まれるが、求めることによって無くなってしまう。欲しい欲しいとねだる人や、いつももらってばかりで一つも返さない人には魅力を感じない。心をつかむ達人は、下心なしに、与えることの多い人。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『人望が集まる人の考え方』

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レス・ギブリン

実業家のヘンリー・カイザーは「人とうまくやっていく第一のルールは、すべての人を重要な存在とみなすことだ」と明言している。

デューク大学のJ・B・ライン博士は、それとまったく同じ意味のことをより科学的な言葉で表現している。20年以上にわたり研究を重ね、「人間が論理の生き物というより感情の生き物だと気づけば、人間関係の技術は飛躍的に向上する」と主張し、さらにこう言っている。

「当然、私たちの人間関係は、相手をどう認識するかにかかっている。相手をロボットか機械のようにみなすと、人との関わり方が利己的で一方的なものになりやすい。しかし、相手を独自の価値を持つ存在として大切に扱うと、相手の意見や考え方に敬意を払うようになる。
その結果、相互の関心、理解、友情にあふれたより高い次元の人間関係が可能になる」

人々に対して最も強い影響力を持つ人たちは、人々を重要な存在とみなす人たちである。また、あなたは身の回りで起きていることのほんの一部しか見えていない。自分にとって重要なものだけを選んで注目しているからだ。したがって、相手にもっと働いてもらいたいなら、その人に注目すると効果的である。それによって相手に重要感を持たせることができる。

ミシガン大学リサーチセンターの心理学者が科学的な研究をおこなった。どうすれば現場の作業員がより熱心に働き、生産性を上げ、よりよい仕事をするかを調べるためだ。

その結果、作業員に関心を示す監督は、もっと働けと命令するタイプの監督よりも大きな成果を上げていることがわかった。
一時期、バージニア州のハーウッド工場は離職率が高く、労働者を引き止めるのに苦労していた。そこで工場長はこの問題を解決するために有名な心理学者を呼んだ。その心理学者は人間の習性を見抜く達人で、一人ひとりの労働者に注目し、彼らの重要性を認めていることを本人たちに伝えるよう工場長に指導した。まず、人事部長は新規採用の労働者と面接し、生産工程を説明しながら一人ひとりの役割を明確に伝えた。

〇人とかかわるときに必要な4つのルール
1.すべての人は程度の差こそあれ自分本位である。
2.すべての人は自分に最も強い関心を抱いている。
3.すべての人は自分が重要だと感じたがっている。
4.すべての人は他人に認められたいと思っている。
すべての人は自尊心を満たしてほしいと強く思っている。その願望がある程度満たされて初めて、人々は自分のことを「忘れ」、他人に意識を向けることができる。また、自分が好きになって初めて、人々は他人に対して友好的になることができる。

従来、自己中心的な人は自尊心が高すぎると信じられてきた。だが、臨床心理学の研究で、自己中心的な人は自尊心が高すぎるのではなく低すぎることがわかったのだ。自分との関係がうまくいっているなら、他人との関係もうまくいく。自分との関係がうまくいっておらず、他人との関係もうまくいっていない人は自尊心が欠如しているので、自尊心を取り戻すことが唯一の解決策となる。
自分を少し好きになれば、他人のことも少し好きになることができる。いったん自分に対する強い不満を乗り越えれば、他人に対して批判的でなくなり、寛容の精神を発揮することができる。

「金持ち喧嘩せず」ということわざがあるが、まさに自分の心が満たされていれば、誰かと事を荒立てることはしない。自分の心が満たされるとは、自尊心が満たされているということ。自尊心が満たされるとは、愛情袋が満たされることでもある。愛情袋とは、愛情をためる袋のこと。
人からもらう愛情とは、「ほめられること」「笑顔」「称賛」「ハグ」「笑い」「親愛のまなざし」「認めてもらうこと」等々。そして、自分の愛情袋がまず先に一杯にならないと、優しい言葉や、気遣いといった、人を思いやる余裕はできない。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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頭に来てもアホとは戦うな!

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田村耕太郎

私が送りたいメッセージは経営戦略に似ている。
「限られた資源を無駄使いするな」ということだ。

時間もエネルギーもタイミングも、たった一度の人生を思い切り謳歌するための、限られた財産である。それを「アホと戦う」というマイナスにしかならない使い方で浪費するなと言いたいのだ。
ナイーブで純粋でまっすぐであるがゆえに、アホな連中と無駄に戦ってしまい、心がすり切れてしまった人たちに、前向きな成果を何も生み出さない行為に時間やエネルギーを費やすことをやめてほしいのだ。そして、その限られた時間とエネルギーを一度しかない大切な人生を輝かせることに使ってほしいのだ。

そういう意味で、この本は「非戦の書」である。
私が世界最高の非戦の書だと思う『孫子の兵法』で一番有名な一節として、「百戦百勝は善の善なるものに非(あら)ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり(百戦は百勝といっても最高の戦い方ではない。敵兵と戦わないで屈服させることこそ最高の戦い方である)」というのがある。
『孫子の兵法』が世界中の経営者に今でも愛読されているのは、「限られた資源を無駄使いするな」というメッセージが経営戦略そのものであるからだ。

「アホ」というと、ある程度心当たりがあるだろう。要は、むやみやたらとあなたの足を引っ張る人だ。会議でなぜかあなたの発言だけにいちゃもんをつけたり、チームメイトなのに明らかに敵意を見せつけて協力的な態度をとらなかったり、明らかにこちらの意見のほうが正しいのに、権力を振りかざしてそれをつぶそうとしたり…。そんなとき、悔しさで仕事が手に着かなかった経験はないか?なぜ自分ばかり厳しく当たるのだろうと、くよくよしたことはないか?はらわたが煮えくり返り、家に帰ってもなかなか怒りがおさまらなかったことはないか?しかし、間違っても「やり返してやろう」などと思っていないことを祈る。

悔しい過去にこだわり、未来を犠牲にするか、それとも、成功するための真理に集中するのか。過去を引きずるより、もう終わったことにした方が傷は浅いのに、悔しさを晴らそうと、さらに過去に時間とエネルギーを投資してしまう。
日本社会では冷静にやるべき議論が成立せず、議論は個人の人格攻撃と捉えられがちなので、失うものが時間やエネルギーですまなくなることもある。

成功者は無駄に戦わない。戦うべき時と相手を選ぶ。アホと戦う無駄を知り尽くしているから成功するのだともいえる。戦うべき相手は人間関係で「くよくよ悩む自分」「腹を立てる自分」だと思ってほしい。

そして、神経をすり減らさないための第一のポイントは、自分にもっと関心を持つことだ。そもそも、日本人は他人に関心がありすぎる。お互いが他人に関心を持っていて相互監視社会のように感じるときさえある。他人ばかり気にしていたら自分と向き合う時間がなくなってしまう。
これからは、自分が本当に何がしたいのか?そのために何が必要なのか?そっちに専念したほうがいい。それがわかれば、他者のことを気にする暇なんてないことが分かる。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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サンフランシスコ市街地の危機

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投資家、ザック・コーリウス

サンフランシスコは滅亡不可避の悪循環に
はまっている。
観光客は強盗を恐れて来なくなったし、
オフィスは空っぽで、誰もが在宅勤務の方がいいと
思っている。
店は客不足と日々の略奪で閉店に追い込まれている。
去れる人は去っていく。
しかも、サンフランシスコ市街地は巨大な税収源だが、
犯罪と汚物を乗り越えて毎日ここに通勤したい人などいないから、
単純に空っぽだ。
この巨大な財源の穴は、さらなる増税と行政サービスの悪化に
つながるだろう。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『好奇心を忘れてはいけない』

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アル・シーバート

好奇心は、心の弾力性を高めるためには必須の要素だ。あなたが状況にうまく適応しようとするならば、まず最初に状況をしっかりと把握することが必要になるからだ。そして好奇心は、心が開いていなくては発揮されない。心が開く、ということはあなたの周りの先入観や色眼鏡なしに見るということだ。

新しい状況に最もうまく溶け込める人とはどんな人だろう?それは最も正確に、起こったことをとらえている人だ。そして、その反対に世界を自分勝手にねじ曲げてとらえている人は、たいていうまくいかないし、生き残ることも難しい。心を閉じている人は、自分に都合の悪いことは聞こうともしないものだ。新聞や雑誌は、従業員や顧客の声に背を向け続けて会社を傾けてしまったダメ経営者の話にあふれている。

1947年にさかのぼる。ベル研究所の研究者が、当時まで使われていた巨大な真空管ラジオにかわる小さな機械を発明した。その機械、トランジスタは、現在では20世紀を代表する発明の一つと言われているが、当時のアメリカの電機メーカーは、どこもその将来性を認識できなかった。ところが、日本には、そこに大きな可能性を見出した会社があった。そして作られたのが、ソニー・トランジスタ・ラジオだ。やがてアメリカの電機メーカーはラジオの国内シェアの多くを日本企業に明け渡すことになる。企業トップの新発明に対する閉じた姿勢が、こんな事態を招いてしまったのだ。

あなたは人と話していて、「ああ、この人の現状認識はずいぶんずれているな」と感じることはないだろうか?彼らは最初から先入観を持って自分の周りのことをとらえていて、その考えと一致しないものは排除してしまっている。あなたはどうだろうか?あなたは厳しい事実から目をそらすことはないだろうか?あるものから目をそむけ続けて、気がついたときには大変なことになっていた経験はないだろうか?離婚届を妻から突きつけられた夫が「寝耳に水の話だ」と呆然とする、なんてことを聞く。子どもの非行に親が気づくのは周りの人よりもずいぶん遅かったりもする。

好奇心を持つことは本当に大切なことだ。散歩中でも、非常時にあっても、どんなときでも、あなたは心の目を閉じてはいけない。好奇心を持つという習慣は、あなたを取り巻く新しい現実を読むことを可能にしてくれる。たとえば、周りの人がどう考え、どう感じ、どうしたいのかをあなたは瞬時にスキャンできるようになる。速読をする人が本のページを瞬時にとらえるように、あなたの目も新たな状況を読めるようになる。好奇心に関わるどんな習慣をあなたは持っているだろうか?たとえば、言葉に対しての好奇心は強いだろうか?《心を開いて好奇心を持てば、状況を正確に把握できるようになる》

新しい携帯や、ちょっとした最新のガジェット(デジタル家電製品)などが出たときに、興味を持つ人と、まったく関心を示さない人がいる。年齢を重ねた人でも、好奇心にあふれている人は、新しいモノやコトに興味を示す。新しいコトに興味を示さないということは、未来にあまり関心がないということ。
未来に興味がない人は、過去にとらわれている。それが、心の弾力性がない人。心に弾力性がない人は、昨日より今日と、少しでも良くなりたいという「進歩発展する姿勢」がない。つまり、「現状維持の姿勢」となる。世の中が、すさまじい勢いで変わっているのに、自分だけ「現状維持の姿勢」だったら、あっという間に世間から置いていかれる。いくつになっても、好奇心を忘れてはいけない。

エンジンオイル、メーカー、 OEM仲間の経営塾より

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『生きるんだよ』

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石川洋

野に咲くタンポポでさえ詩人の魂をふるいたたせ
一匹のこおろぎでさえ病める人の心を癒す
五体に障害を持つ人もその微笑みで人の心を照らし
そのまなざしで愛を伝えることができる

生きとし生けるもの そのすべてには授かったいのちの輝きと役割がある
たとえ何もできなくとも微笑むことはできる
たとえ貧しくとも謙虚な生き方はできる
それだけでも立派な奉仕なのだ
授かったいのちの尊さに目覚めあなたなりの生き方で
生きた証の美しい花を咲かせていこう

〇私は十七歳の時、一介の奉仕者になろうと決心して、一燈園の門をくぐった。一燈園の創始者でわが生涯の師・西田天香さんは、無所有・無所得の托鉢生活をまっとうされた人である。
入園した若い私に、人間は偉くならなくていい
人間は立派にならなくていい
人間はお役に立つ人になることであると諭して下さった。
それ以来七十年、まだまだいたらない私だが、
師の教えのような生き方をされておられる多くの方のご縁をいただき、
励まされお育ていただいてきた。

〇一燈園に入園した者は誰でも、何日かの托鉢行をする。
無一文、無一物で園を出て、行った先で掃除や草むしりなどの奉仕をさせてもらい、運がよければ食事や宿泊にありつける。

その托鉢に対する西田天香さんの言葉がある。
『托鉢者は行き詰まるだけ行き詰まってみるがよい。
日の脚は、こちらの行き詰まりを待ち合してはおらぬ。
日暮れ、腹は減る。泊めてくれ手もない。
握り飯一つ誰も持って来ない、寂しい気持ちがする。
そうした時こそ真剣になる。
まだまだ行き詰まるがよい。そこでどうするか。
手前の考えが何事も用を成さず、我というものがあまりにふがいなくなって、しみじみと考え込む。
祈りたくなる。そうした時に知らず知らず、一段一段と自分の我慢がはげていく、それが実に結構な修行なのだ。
どうか他人の得を盗まぬように。
どうか自分の罪を隠さぬように。
どうかその場逃れの事を言わぬように。
どうかあまりに大事をとりすぎぬように。
あまりに自分は醜いだらけである。一段とこの四つのことを慎みたい。』

〇人生とは、「己の魂を磨き、少しでも光らせる修行」。
自分を磨くことだけを考え、人格を向上させるなら、他人の行いは気にならなくなる。自分を守らんがため、人を非難し、人のせいにすることをやり続けるなら、やがて誰からも相手にされなくなる。
人間は偉くならなくていい、人間は立派にならなくていい…人のお役に立つ人になろう。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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ドラッカー 後継者・経営人材の発掘・採用・育成

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ドラッカー人材、特に経営人材の育成は異次元の本質的課題

1.経営人材の獲得と育成を経営の車用課題と位置付ける
2.経営人材を惹きつける魅力を創り出す努力をする。
人材が枯渇している今の社会では、給与面、働き甲斐、会社風土が魅力的でなければ有為な人材は来ない。生産性を高めることは大前提だ。
3.経営人材を採るための工夫と努力をする。
親族の動機づけ、知り合いの一本釣り、リファラル採用、仕入れ先・得意先の人材勧誘、スカウト会社活用など、ありとあらゆる方法を試してみる。
4.経営人材が育つ組織を作る工夫をする。
人材育成計画を作り、責任者を決め、就業時間の15%は 育成に使う。1on 1の風土を創り、トレーナーとしての上司をしっかりと訓練する。そして、後継者の教育は経営者自らが行う。
5.メリハリをつけて人材育成を行う
後継者を定めたら、損益責任のある重要な仕事を任せ、外部の人たちとの交流会や、研修に参加させることで、経営者としての必要な長期の視点、大きな視点を 身に着けさせる。

2.後継者・経営人材が持つべき資質と資格
ドラッカー「トップが偉大な時だけ、企業は偉大たりうる」
後継者・経営人材に求められる資質は、仕事ができることと人柄が優れていること。仕事ができない人を引き上げる人はいない。問題は、人柄に難の有る人を引き上げてしまうことだ。
ドラッカー「人柄を真摯さと定義している。人柄に真摯さに欠ける人を管理者にしてはならない。それは後から身に着くものではないからだ。」
真摯さに欠ける人とは、他人が悪いという思考回路の人だ。こうした幹部は多くの会社にいる。真摯さに欠ける人は降格させて、周りの人たちを楽にしてあげないといけない。

3.後継者・経営人材の育て方
事業と損益に責任と権限を持たせた経営を体験させる。そして、経営者が毎月コーチングをしていく。そこで戦略的思考法やロジカルな考え方を植え付ける。経営のコクピットと目標管理シートを使い、数字と課題の目標管理、時間の管理をさせる。
一方で、経営者に必要な価値観を学ぶことも必要だ。読書をさせ、研修に参加させるなどして、経営者としての使命感や信頼される人格をブラッシュアッブさせる。

小笠原士郎

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『運を引き寄せる法則』

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精神科医、和田秀樹

「運」は、人生を明るくも暗くもします。その運はじつは偶然、外からやってくるというより、自分でつかみ取り、選び取るものだとしたら、いままで自分の「不運」を嘆いてばかりいた人は、大切な何かを見失っていただけとなります。長らく、精神医学や精神分析の勉強をしていて気づいたことがあります。それは人間の幸せも不幸も、「主観的」なものだということです。逆にいうと、客観的には幸せも不幸もないということになります。

一般的に、自分がついているとか、幸運だと思っている人間は、いろいろなチャレンジをすることに抵抗がありません。そのため、人と知り合う機会や、ビジネスチャンスにも恵まれ、結果的に成功することが多くなります。好循環に入り込むのです。
逆に、自分は不幸だと思っている人は、引っ込み思案になりがちで結果的に成功のチャンスをつかむことは少なくなります。成功する確率が1割くらいの人でも、100回チャレンジすれば、10回は成功できます。しかし成功する確率が5割もある「強運な」人でも、チャレンジが2回しかなければ1回しか成功できないし、チャレンジがゼロであれば、絶対に成功できないのです。要するに、自分は運がいいと思うことで成功する回数を格段に増やすことができます。

『運そのものは公平でも、不運か幸運かはその人の受け止め方次第。
だから、「わたしは運がいい」「わたしはもっている」と思った方が、運をつかまえるチャンスは広がります。
万が一、不運をつかまえたとしても、自分が動いた結果なら諦めもつきます。実際、運の強い人は不運と出遭っても「わたしは運がいい」と自分に言い聞かせるときがあります。自分が手掛けた仕事で大きな失敗をして地方や海外に飛ばされても、「まだ30代だ、やり直しのきく歳なんだから、運は残っている」と考えます。そう考えることで、仕事への意欲を保ち続けることができれば、いつか「いいこと」が巡ってくるものなのです。「最悪だ、不運だ」とガックリしてやる気をなくす人より、まだまだ「運・いいこと」をつかむ力が残っている人です。』


幸運も、不運も本来は無色透明。幸運ととらえるか、不運ととらえるかは、自分自身の考え方や見方による。ある人は、事故にあってしまって「ツイてない」と思う人もいるが、「この程度で済んでよかった!ツイてる」と思う人もいる。事実は一つしかないが、考え方や見方によって天と地ほどの差がでる。どんなときも、「私は運がいい」と考えることにしている。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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