ハンス・ロスリング

料理の味を決めるのが素材であるように、

判断の成否を決めるのは

「ファクト(事実)」の精緻さです。

世の中にはたくさんの「決断本」や「行動本」

「問題解決本」がありますが、

そもそも事実を誤認していたら、

正しい問題解決など存在しない。

間違った知識を持った政治家や政策立案者が

世界の問題を解決できるはずがない。

世界を逆さまにとらえている経営者に、

正しい経営判断ができるはずがない。

「若先生さんは、喉が平たいことを知らないのかい? 

平たいものしか、喉の奥に入れられないんだよ。

だから、剣を使うんだ」

これはアップデートの問題だ。公衆衛生を学ぶ学生たちや、

わたしのクイズを受けた人たちが持っている知識は、

数十年前からアップデートされていない

わたしのクイズで、最もネガティブで極端な答えを

選ぶ人が多いのは、

「ドラマチックすぎる世界の見方」が原因だ

人は誰しも、さまざまな物事や人々を

2つのグループに分けないと気がすまないものだ。

そして、その2つのグループのあいだには、

決して埋まることのない溝があるはずだと思い込む。

これが分断本能だ。

世界の国々や人々が「金持ちグループ」と「貧乏グループ」

に分断されているという思い込みも、

分断本能のなせるわざだ

いまや、世界のほとんどの人は中間にいる。

「西洋諸国」と「その他の国々」、

「先進国」と「途上国」、「豊かな国」と「貧しい国」

のあいだにあった分断はもはや存在しない

世界を2つのグループに分ける代わりに、

所得レベルに応じて4つのグループに分けてみよう

情報を単純化すると見えなくなるものも多い。

平均値というひとつの数字を用いた場合、分布が隠れてしまう

人口が増え続けるという勘違いも、

世界やわたしがエボラになかなか気づかなかったことも、

もともとの原因は「直線本能」にある。

これは、グラフが直線を描くと思い込んでしまう本能だ

専門家のあいだでは、「人口が増えるのは、

大人が増えるから」という理論が常識になっている。

子供が増えるからでも、後期高齢者が増えるからでもない

子供たちが生き延びやすくなると、

人口はひたすら増え続けるのでは?

 いや、違う。まったくもって正反対だ

避難後に亡くなった人の多くは高齢者で、

避難の影響で体調が悪化したり、

ストレスが積み重なったりして死亡した。

人々の命が奪われた原因は被ばくではなく、

被ばくを恐れての避難だった

あなたの大切な人が酔っ払いに殺される確率は、

テロリストに殺される確率より約50倍も高い

何かの重大さを勘違いしないために最も大切なのは、

ひとつの数字だけに注目しないことだ

レベル3の人口は、いまの20億人から

2040年には40億人に増える。

世界中のほぼすべての人が消費者になりつつある。

間違ったイメージにとらわれて、

世界のほとんどの人は貧しすぎて何も買えないと

思い込んでいると、

史上最大のビジネスチャンスを見逃してしまう

「自分の分類の仕方は間違っているかもしれない」

といつも疑ってかかったほうがいい

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たくさん世界を旅して気づいたことは、

日本のなかで議論されていることが、

かなり思い込みやステレオタイプに囚われているということ。

何かを語ったり、意思決定するなら、

まずは「ファクトフルネス」を身につけなければならない。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より