「論語と算盤2」渋沢栄一

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人の真の評価は、成功か失敗ではない。
如何に社会に尽くそうとしたか、
その為に、知らない事は知らないと認め、
謙虚に学ぼうとしたかによって、評価されるべきである。
そうした精神こそが、人格である。

人格を磨くには、まず良心的で信頼される。
親兄弟を敬う事を基本に据える。
そうして、自らの知恵や能力を磨く事だ。

実際の行動を通じてこそ、精神を鍛え、
見識を磨く事が出来る。
人格を磨く者が行う商売は、1個人の利益に留まらない。
多くの人や社会の利益になる。

皆がお互いに商業道徳を尊重し、
不正を行わないという強い意志で商売に励む。
すると、資本家による労働者からの搾取と、
それによる貧富の差の拡大再生産、
過度な競争、独占といった資本主義の弊害も
回避できる。

江戸事態に伝えられた孔孟の教えが誤解され、
すべての商売は罪悪との先入観を持つ人が多かった。
軍隊や政治だけでなく、経済の強化が重要であり、
商売そのものが社会に貢献している。

士魂商才という、武士道を重んじた日本人ならではの
精神と経済の両立を渋沢は目指した。
これで、日本の強みを生かした産業奨励も可能になる。
すべての商業道徳の要となる信用を築ける。

研鑽は自らに求め、その還元は顧客や社会全体を
目指す。
これこそが、武士道に基づく算盤(商売)であり、
こうした商業道徳の進歩が、社会を豊かにする。

エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。

 

 

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