齋藤孝

『あなたは日々の生活のなかで、

次のような人を見かけたことがないでしょうか。

朝の通勤ラッシュ時、満員電車で少し肩を押されただけで

舌打ちをしている人。

ご近所同士で挨拶しようとすると、

スタスタと歩いていってしまう人。

飲食店のスタッフが少し雑談をしているだけで、

クレームをつける人。

電車がちょっとでも遅延すると、駅員に詰め寄って怒鳴る人。

部下が失敗したときに、

周囲の目も気にせず、ヒステリックに怒鳴りつける人。

挙げていくと、きりがありませんね。

どれも、おそらく心当たりのある光景ではないでしょうか。

しかもこうした行動をとっている人には、

地位も分別もありそうな方も、かなりいらっしゃいます。

機嫌とは、人の表情や態度に表れる快・不快の状態です。

つまり不機嫌とは、不快な気分を

表情や態度に表しているさまを言っている。

現代を生きる人の多くが、かかえているのは、

行き場のない「慢性的な不機嫌」です。

情報伝達の差し迫った必要性があるわけでもなく、

不快であることを伝えても事態は何も解決しないのに、

無意味な不機嫌を世の中に撒(ま)き散らしている人が

あまりにも多い。

電車の中で舌打ちしたからといって、

満員電車が解消されるでしょうか?

インターネットで書き散らした罵倒(ばとう)が、

社会を良くしたことがあったでしょうか?

誰も「舌打ちや罵倒をしたら事態が良くなる」と

思っているわけではないのに、

表に不機嫌が滲(にじ)み出てしまっている。

現代人は四六時中誰かの不機嫌な言動にさらされ、

ちょっとずつ精神を消耗しています。』

不機嫌でいることは「甘え」だ。

不機嫌でいても、反撃してこない人にだけ

不機嫌でいるからだ。

もし、相手が暴力的な人や、とてつもなく偉い人だったら、

不機嫌ではなく、

相手の前で、むしろ上機嫌そうに振る舞うかもしれない。

それは、SNSで攻撃する人も同じ。

不機嫌な相手を変えることはできないが、

せめて自分は上機嫌でいること。

そして、上機嫌の人と付きあうこと。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より