世界の人口問題について取材したとき、

亜細亜大学の大泉啓一郎教授から、興味深い話を聞きました。

食料が豊富にあり、天敵がいない環境でネズミを飼育したら、

その数はどこまで増えるのかという米国での実験の結末です。

調べてみると、米動物行動学者のジョン・カルフーンが

1960〜70年代にネズミの繁殖実験をしていました。

信ぴょう性や再現性を疑問視する意見もありますが、

今なお幅広い関心を集めているようです。

カルフーンは広大な飼育スペースにオス・メス8匹のネズミを

放します。

繁殖を繰り返すネズミに異変が起き始めたのは300日が過ぎ、

600匹を超えた頃です。

十分にエサはあるのに、一部のオスがこれを独占し、

他のネズミを攻撃し始めました。

勝ち組は絶え間ない戦いのストレスからか、

暴力的になっていきます。

負け組は社会からドロップアウトし、

単独行動を取るようになります。

出産してもオスが守ってくれないメスもまた攻撃的になり、

子ネズミを巣から追い出すようになりました。

巣から追い出され、社会性を学ばなかった子ネズミは、

成長しても繁殖行動をしなくなります。

社会と距離を置き、単独で行動するネズミが増え、

オス同士の戦いも次第に減ります。

十分に栄養を取り、繁殖行動や子育てには関心を持たず、

毛づくろいするだけの毎日を過ごすようになった

ネズミたちを、

カルフーンはビューティフル・ワン(美しき者)と

名付けました。

560日後にはネズミの出生数と死亡数が均衡し、

2200匹をピークにネズミの数は急激に減り始めます。

超高齢化社会を迎えたネズミの出生数は回復することなく、

1780日目にすべてのネズミが死に絶えました。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より