成毛眞
今後、どんな天変地異が起ころうとも、
2040年ごろには、ほとんどの団塊ジュニア世代が
65歳以上となり、高齢人口がピークを迎える。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、
2042年、65歳以上の高齢者は3935万人にも達する。
2053年には人口も1億を下回ると予測されているから、
人口の40%近くが高齢者になるという計算だ。
地方に行くと、その割合はさらに増える。
秋田県に至っては、2045年に人口の50%以上が
65歳以上の高齢者になると予測されている。
このような状況が予想できるわけだが、
本当に恐ろしいのは何かといえば、「お金」の問題である。
客観的に考えていくと、どう見積もっても、
ミドルエイジは、この先、茨の道を歩まざるをえない。
まずは年金と社会保険の問題だ。
今の40代が高齢者になるころには、
年金の給付額は大幅に減るのは間違いない。
現行の制度のままでは現役世代がつぶれてしまうから、
社会保険は持ちこたえられなくなる。
そうなると、解決策は一つしかない。
高齢者への社会保険の給付を減らすことだ。
意外と見過ごされがちなのが、
健康保険や介護保険を利用するときの自己負担割合である。
現在の医療費の負担割合は70歳までが3割、
70~74歳が2割(現役並みの所得者は3割)、
75歳以上が1割(同)だが、
これにメスが入るのも避けられない。
70歳までは5~6割を負担、75歳以上も3~4割を負担
という未来は容易に想像できる。
そんな厳しい状況に拍車をかけるのは、増税だ。
2018年3月の時点で、国の借金は
1087兆8130億円に膨れあがっている。
借金を返すにも、国の基本的な収支をあらわす
プライマリーバランスはずっとマイナス(赤字)だから、
減るどころか増える一方。
今でも返せないのに、今後は人口減によって、
さらに税収が減るから、もはや生易しいやり方では返せまい。
いずれにしても、国として税金を上げるのは
避けれられないことだ。
こうした経済環境の変化を勘案すると、
残念ながら、次のような未来が予想できる。
それは、「老後に贅沢な資金をもっていなければ、
リアルに野垂れ死ぬ」ということだ。
お金がなければ、医療や介護サービスを
ろくに受けられなくなる。
それどころか、日々の食事や生活必需品にも
困ることになるだろう。
このまま漫然と老後を迎えれば、その先には地獄が待っている。
そうならないためには、いまのうちから手を打つことが必要だ。
その1つは、稼いだお金を貯めて、それを資産運用に回すこと。
資産運用も大事だが、最も重要なのは、
お金を稼げる自分であり続けることだ。
60代になっても70代になっても稼ぐことができれば、
社会保険に頼らなくても、インフレが来ても、
食いっぱぐれることはない。
人口減少と少子高齢化によって引き起こされる問題は
多岐にわたる。
たとえば、「地方の市町村の消滅」「大学の倒産」
「空き家や耕作放棄地の増大」「地方の伝統行事の消滅」
「さらなる人手不足」「地方の交通機関の撤退や縮小」
「税収減による公共サービスの低下や劣化」
「町内会や自治会の崩壊」
「地方の中小企業の後継者難による廃業や倒産」等々だ。
未来の予測に最も役立つのが、人口学だ。
なぜなら、何年後かの人口は、ほぼ正確に予測できるからだ。
だから、人口減少と少子高齢化に伴って起こる未来予測は、
時期のずれは少しはあったとしても、ほぼ正確に必ず起こる。
今、見える未来だ。
政治や経済や経営、あるいは、IT技術などの
未来の予測はそうはいかない。
変化は加速し、様々な方向に波及し、
その結果、思ってもみなかった方向に進むからだ。
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