ナターシャ・ダウ・シュール
勝ち負けではなくプレイすることが
目的化したハマッタ状態をゾーンと言う。
リピート・ブレイヤーにすべく、
業界関係者は最新のエレクトロニクス技術を
次々に開発している。
罪悪感を軽減する巧妙なマーケティングも
展開されている。
プレイ量に応じた特典も多く、
女性や高齢者の取り込みも盛んだ。
賭けに負けることに安堵感を覚える者、
手持ちの金を使い切らないと眠れない者、
依存症者の証言は衝撃的だ。
ラスベガスには自助グループやカウンセリングなど、
堅固な治療ネットワークが存在する。
しかし、治療行為そのものがマシンプレイ同様の
強迫的性質を帯びてしまう。
人の心理は複雑だ。
近年は各プレイヤーがゲームに応じた
時間や金額を追跡できるソフトウェアなど
テクノロジーによる救済策も多岐に及んでいる。
しかし、そこまで監視・管理された状態が
非日常性や偶発性を楽しむケーム本来の在り方なのか。
個人や市場の自由に抵触しないのか。
判断は難しい。
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