井上章一
ヨーロッパの都市建築物には、
全体の中で自らを目立たせようとする志が、あまりない。
実際にイギリスやドイツなど各地で
古い建物の改築や新築の風景を目にするが、
周囲との調和を意識していて、
デザインや色合いなどに
配慮が行き届いている事が分かる。
企業が本当に新しいハイテクビルを作りたい場合などには、
旧市街のような古い建物群から離れた新エリアで
展開することが多い。
しかし、日本は逆である。
日本の都市建築は、表現の自由度が相当大きく
自己主張が強い。
ヨーロッパの方がはるかに集団主義的であり、
個人主義的なのは日本なのである。
和を尊ぶのはヨーロッパである。
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