中谷彰宏

理不尽だとグチる人は、「怒りを人にぶつけること」で解決しようとします。「怒れば解決する」と思い込んでいるのです。怒りをぶつけることで物事は解決しません。むしろ悪化します。
これは「おむつ作戦」です。赤ちゃんの間は、泣けばなんとかなりました。いい大人が「おむつ作戦」を持ち出しても、バカにされるだけです。よけい前の道はふさがっていきます。「いい大人が、おむつをつけた赤ちゃんのようなことを言うな」と言われて、ますます事態が悪化するのです。

理不尽なことに出会った時の対応の仕方で、その後の事態が好転したり悪化したりします。それは自分自身が決めています。理不尽なことを、いかに避けるかではありません。大切なのは、理不尽なことに出会った時に、それを好転させる手口を試行錯誤しながら身につけていくことです。これが社会で大人として学ぶことです。これを、「キャパがある」と言うのです。

■マザーテレサ
『人は不合理、非論理、利己的です。気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。気にすることなく、善を行いなさい。
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。気にすることなく、やり遂げなさい。
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。気にすることなく善を行い続けなさい…』
世の中は、考えてみれば理不尽なことに満ちている。しかし、それを理不尽と捉えるか、それを「気にすることなく」、平然と、淡々と、人を愛し、善き事を行い続けることができるのか。
キャパがある人の反対は、「器の小さい人」。器の小さい人は、すぐ人のせいにしたり、すぐに怒ったり、人の成功を喜べなかったり、人を褒めないような人だ。要するに、自分のことだけしか考えていない人。理不尽なことに出会っても…それを好転させることができる、キャパのある「大人」になりましょう。

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