人は、なぜ寂しさに苦しむのか?

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中野信子


寂しさのネガティブな側面について、最近の調査では、人は寂しい状態が続いてしまうと健康が害され、死亡リスクが高まる
寂しいからという理由だけで安易に人とのつながりを求めると、悪意のある人に騙されたり、裏切られたり、大きなトラブルに巻き込まれたりする
この「寂しさ」をはじめ、ネガティブな感情は、生存のために生まれたもの。ネガティブ感情があるから我々は生き延びてきた。
生存戦略としての寂しさ、そしてそれが現代にそぐわなくなっている。シングルが人口の半分になろうかというこれからの時代に、重要な生き方のヒントを示している。
これを知れば生涯シングルで、一人が気楽と考える人は、自分が最先端を行っている感覚になるかもしれません。

寂しさは誰にでも生じる感情であるものの、対処法を間違えると、怒りや憎しみといったほかのネガティブ感情を誘発して、攻撃性が強まってしまうことがあります
ひとりになると寂しくなるのは、生存本能によるところがある。しかし実際は、現代は集団でしか生きられないような過酷な環境ではなくなってきています。寂しくて不安になるのは、脳が現代社会に適応していない、ということかもしれない

オキシトシンの濃度が高まると、もし相手が愛情や信頼を裏切るような行為をした場合、逆に許すことができず、憎しみや怒り、嫉妬といった感情を生じさせてしまう

ポジティブな感情よりもネガティブな感情が強い理由は、おそらくポジティブな感情は生死にかかわらないものだから。
肉食獣を例にすると、チーターが苦労して捕獲した獲物を、ライオンが横取りしようとして近づいてきたとします。このとき、チーターにとっての、「獲物にありついた。嬉しい! もっと食べたい!」というポジティブな感情が、「ライオンが来た。危ない!」というネガティブな感情よりも強かったら、危険を回避する行動を取らずに獲物は奪われてしまうでしょう。いや、チーター自身も襲われてしまう

無理な友だちづくりは、寂しさを助長させる

「理解」「共感」「対等」という、この3つの条件を満たす人は、そうやすやすと、そんなにたくさん見つかるものではない

人見知りというのは、自分を守ってくれる人と、守ってくれない人を感じわけている行為

1歳半までに「ソロ好き」人格は決まる

タオルやふわふわしたぬいぐるみなど肌触りがいいものを触っていると、オキシトシンが生成され、ストレス軽減につながる可能性がある

「新奇探索性」が寂しさを力に変える

イギリスで行われている対策で、特に男性の孤独感の解消に効果が高いと注目を浴びたのが、「メンズ・シェッド(Men’s shed)=男たちの部屋」です。メンズ・シェッドは、定年後の男性が定期的に集まり、大工仕事を一緒に行う日曜大工の施設です

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