『思い通りでない環境に感謝する』

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スティービー・クレオ・ダービック

カリフォルニアの研究者たちが、アメーバの一群を二つの異なるタンクに半分ずつ入れた。第一のタンクでは、水の温度、水位、その他諸々、注意深くモニターし、成長に必要な完璧な条件になるように調えた。一方、第二のタンクに入れられたアメーバは常に変化にさらされ、暑さ寒さの極限に置かれた。さて、どちらのタンクのアメーバが長生きしたか?
驚いたことに、早死にしたのは、第一のタンクの、快適な環境に置かれたアメーバだった。研究者たちは、次のように結論づけた。あまりに居心地のよい環境にいると、よどみや腐敗が生じる。一方、努力を強いられたり、周囲に馴染むことを余儀なくされることは、成長を促進する。

あなたは、すべての条件が調ったらうまくいく、と思っているのかもしれない。しかし、むしろすべての条件が調っていないいまの状況こそ喜ぶべきだ。ただし、耐えなくてもいい逆境にわざわざ自らおとしめることはないが図らずも、もし逆境にさらされたら、そのときは喜んで迎えよう。そして、対処しよう。
思い通りでない環境に感謝する日がきっと来る。誰もが条件の整った環境にいる方がいいと思う。だが、衣食住やお金の心配もなく、働かずに毎日何もせず、ぶらぶらして生きていくことになったら、ほとんどの人はひと月とたたないうちに、その毎日を持て余してしまうだろう。
思い通りにならないことがあるからこそ、我々は努力する。嫌なことや困難を、乗り越えることにより、自分を一段高めることができる。厳しい環境は我々を磨いてくれる砥石だ。

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