『社長のノート』

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長谷川和廣

赤字の再生企業に出向いた際、私がまず味方につけたいと思う人材は「変化させられる人」でした。私が企業競争の現場で経験した結果を分析してみると、多くの会社で起こった繁栄と衰退には、明らかな原因がありました。

生きることに成功している会社は、刻々と変わる社内外の経営環境を見極めて自分の会社を変化させる力がある。
一方、不幸にして生きることに失敗した会社は、弱点を自ら変える力が弱っているのです。

つまり、古い体質を改善できずに「儲けを生み出せないシステム」のままでいたら、時間の経過とともに格差は、どんんどん広がってしまいます。これは個人のレベルでもまったく同じです。「実績を生み出せない自分」のまま、ただ給料をもらっているだけでは、いつの間にかライバルたちに差をつけられてしまいます。まず、個人レベルで今までの価値感を根底からシフトする勇気を持ってください!

会社の再建だけでなく、どの組織においても、あるいは、個人の生き方としても「変化させられる力」は必要だ。それは、何かを変えていく力。

「競争相手は同業他社ではなく、時代の変化」(鈴木敏文)
時代が変わっているのにも関わらず、変えることができなかったら、その組織や会社はどんどん衰退し、やがて倒産する。多くの組織は、古くからやっていることを守ろうとする力が働く。その方が居心地がいいからだ。

あと10年したら、既存の仕事の半分がなくなる、と言われるくらい現代は激変の時代だ。その変化のほとんどが、ITやAIによって引き起こされる。まさに今までの価値観ががらりと変わる時代に突入した。

エンジンオイル、メーカーOEM仲間の経営塾より

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