時代の変化を否定しない

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本田直之

今の若い人たちはお酒も飲まなければ、車を所有したいという願望も強くない。それをみて覇気がないと憤る人がいますが、そういう人たちはすでに時代感覚を失っている。
ダーウィンの進化論ではありませんが、環境の変化に合わせて、進化してきた結果が、彼らの生き方や行動スタイルなのです。だから、時代の空気を知りたければ、年配者ではなく若者とつきあうべき。

自分たちと違うといって敬遠していても何も始まりません。そういう人は、やがて淘汰されていく。

「今は暗い時代だ、どんどん悪くなっていく」という人がいる。しかし、よく考えてみればわかるが、昔に比べて今の時代はすべてが格段に便利になり、社会も少しずつよい方向に進んでいる。江戸時代は、洗濯機もクーラーもテレビも、スマホも、パソコンも自動車も飛行機もなかった。現代はそれがさらに日々進化している。
なぜなら、人が「こうあって欲しい」「こうなると便利だ」と考えたものが次々と実現しているからだ。そして、戦争も紛争も、かつてに比べたら格段に少なくなっている。

つまり、どんどんいい方向に進化しているのだ。時代の変化が分からなくなると、変化を否定するようになる。昔はよかった、と。
1200年以上前に建てられた法隆寺の塔にも、「最近の若者はしょうがない」という落書きがある。

「時代の空気を知りたければ、年配者ではなく若者とつきあうべき」

時代の変化を否定しない。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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