分かりやすく話す10の方法

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 竹内慎也

1.結論から話す
結論から話せということは、よく言われます。よく言われることですが、なかなかできないんですよね。私たちは起承転結の話し方を刷り込まれてしまっているので、結論を最後に持ってきてしまいがち。だから、かなりの意識改革が必要です。結論には、大きな結論だけでなく小さな結論も存在します。このあたりは、パワーポイントを用いたスライドをイメージすると分かりやすい。プレゼンの結論を示すスライドを頭のほうに持ってくるのが、大きな結論。そして、各スライド毎で「このスライドで言いたいことは、ズバリ○○です。というのは……」と話をするのが小さな結論。この両方が必要なわけです。

2.余計なことを話さない
余計なことを話してしまうと、本当に伝えたい重要な情報がそれほど大切でない情報に埋もれてしまいます。多少気が利いた人ならば「ちょっと話がそれるんですが……」と前フリしたりするんですが、前フリしたら許されるという話ではないです。そらしちゃダメですよ。

3.予告する
今から話す内容がどんなものなのかを予告してあげるのは、聞き手の負担を大きく減らします。これは、話し上手な人は心掛けていることです。たとえば、「ポイント3 つでお話ししますね」「ここまでのお話を、ある事例と照らし合わせて解説します」こんな予告を多用してみる。

4.一文を短くする
一文が長くなると、それだけで話は分かりにくくなります。「~で、~で、~で」と続けてしまうのではなくて、「~です。(ちょっと間をあけて)それで……」と続けていったほうが、ずっと分かりやすくなります。ただ、一文が長くなるというのは、本人に自覚症状がないことがほとんど。なので自分で意識してみる。

5.重要ポイントを強調する
「ここが大事なんですけどね……」と言ってから、そのポイントを話す。まるで先生が授業中に「はい、ここテストに出るぞ~」と言わんばかりに言ってみる。これはすごく大切なスキルです。「ここが大事なんですけどね……」というだけで、聞き手はそこを重点的に聞いてくれます。言わなければ、他の箇所と同等程度の注意力しか注いでくれません。その差は歴然です。

6.できるだけ具体化して話す
「具体化は、プレゼンテーションにおける一つのキモです」それくらい大切なのが、「具体化する」というテクニック。抽象的な話は、どうしても記憶に残りにくい。それを聞き手の記憶に残りやすい形に変換してあげるわけです。たとえば、自分の体験談で語ってみたり、数字・データを用いて表現してみたり。プレゼンや日常のトークで使うためには、「具体的に言うと……」と、とりあえず言ってみるとよい。「具体的に言うと…」と口にしてしまえば、その後には具体的な話をせざるを得ないでしょう。

7.たとえ話を用いて話す
アップのCEO故スティーブジョブズは、ペプシコーラのCEO を自社に招き入れる際にこのように言ったそうです。「一生砂糖水を売り続ける人生でいいのか?」これは、かなり上級のたとえ話ですが、事実を示しているので感情が動きます。Aが聞き手にとって馴染みのない情報の時に、Bというよく知っている話をたとえに使うことで、話を分かりやすくしているわけです。難しい話をする際には、たとえ話は非常に有効な手段です。

8.専門用語の取扱いに気をつける
専門用語というのは、話を分かりやすくもすれば、分かりにくくもします。その用語が分かっている人にとっては、説明を簡潔なものにしてくれる効果がありますが、その用語を知らない人にとっては負担でしかありません。だから、方針は簡単です。「聞き手にとって、直感的にかつ完全に理解できる専門用語ならば、どんどん使っていく。聞き手にとって、ちょっとでも考えないと頭に入ってこない専門用語ならば、使わないでおく」です。特に頭のいい人は注意です。あまりこれをやりすぎると周りから人がいなくなってしまいますし、営業だと全く売れなくなります。

9.話のスピードや間で変化をつける
いわゆる話し方の部分でも、分かりやすさに差がでてきます。たとえば「重要な話はその前後に間をとって、ゆっくり話す」ようにするだけで、分かりやすさには格段の効果があります。つまり、話し方において重要なポイントを際立たせるということ。これをしないと、重要ポイントが重要ではない話に埋もれてしまうんですよね。沈黙は金なりという格言があるくらいです。沈黙は金と同じ価値がある、という事です。完全にこの間やスピードを身につけると、聞き手を引き込めます。

10.ボディランゲージを織り交ぜる
同じく話し方でいえば、ボディランゲージも聞き手の理解をサポートしてくれます。たとえば「これくらいの大きさです」と言うときに、手でそのサイズを表してみるとか。視覚からも聴覚からも情報を送り込んであげるというイメージです。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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