「手遅れ」

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玉村豊男

私は、200世帯ほどが住む小さな里山の集落に住んでいる。かつては、酒屋、魚屋、豆腐屋、なんでも屋など、複数の商店があって、村の人たちは、そこで買い物をしていた。

それらが消えてから、もう10年は経つだろうか。いつの間にか、みんな車に乗って町のスーパーへ買い物に行くようになった。村の中で循環していたお金は、どこか遠くに姿を消した。
スマホで注文すれば翌日には荷物が届く今では、羽が生えたお金の行先は、誰の懐なのか。知る事さえできない。

グローバル化が、地域の経済を破壊した。
破壊されてから、地方活性化という言葉が生まれた。
活性化するものが無かったので、今度は、地方創生という言葉ができた。

村は、確実に空家ばかりの廃墟となっていく。時代の推移が、住む人々の意識を変えるだろうか。
地域を持続させるソーシャルビジネスを可能にするのは、人々の将来に対する危機感しかない。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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