『なぜ独身が増加し、父親は無力化したのか』

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橘木俊詔

g男性(その4分の3は自分を草食系であると認識している)は肉食系女子に好感をもっているが、女性の方から草食系の男子に好意を抱いているとは言えないので、男性と女性が恋愛や結婚にうまくマッチする確率は低くなる

平安末期から鎌倉時代、室町時代にかけて武士の勢力が強くなったのであるが、武士は身体能力が女性より強い男性の職業なので、家庭や社会で支配するのは男性である、という考え方が一般化された

農民や商人の中でも豪農や豪商と呼んでもよいほどの広い土地を持つ農民や、商売をうまく成功させた大商人が存在したのであり、こういう人は上流階級のように「家」なり職業を世代で継承したい気持ちがあるので、結婚や子どもを持つことへの執着はあったし、経済的な裕福さはそれを可能にした

ナヤール人の文化では、夫婦は家族の中核ではなく、母系の血縁者(すなわち母親の兄弟姉妹)が家族の中心にいる。夫(あるいは父親)は同居しておらず夕食後に妻の家に来て、一晩過ごした後に、翌朝早く立ち去るのである

現在は女性も稼ぐ能力を高めているので、父系社会が衰退に向かう可能性があり、母系社会復活の恐れあり
父系家族よりも母系家族の方が家族人数が多いので、稼ぎ手の数が多い母系社会では経済生活の不安は少ない

父親になりたいという男性が減少している

近い将来に女性の所得水準はかなり高くなると予想できる。こういう女性の中には、男性に従属することを嫌う人も出てきて、シングル・マザーを目指す人も現れると推測される

所得のある女性に結婚への希望度が低下した。あるいは経済力を得たことによって、女性の男性に対する要求が高くなった

質の高い子どもを求める傾向がさらに強くなると、一部の優秀な男性の精子だけが求められる時代になるかもしれない
ディープインパクトは種牡馬になった際、51億円のシンジケートが組まれたと聞く

非認知能力に関して幼児教育が肝心となれば、母親が外に出て働いて子どもと接する時間が少なければ、この能力の醸成はやや犠牲になるかもしれない

男性は今でも男の子を希望しているが、その数字は40%前後で圧倒的な高さではない。しかし女性の女の子の希望からすると、30年前は40%あたりだったが、現在では60%の高さに達しており、女性は圧倒的に女の子を望んでいることがわかる

経済的に豊かな国になったのでガツガツ働く必要はないし、競争に勝って有利な立場にならなくても生きていける、男女平等が叫ばれる世の中になり強い男が必ずしも称賛されない、男女ともに優しい人間であることが価値の高い特質とみられるようになった

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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