『大人のための「いい店」選び方の極意』

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渡部建

「いい店」とはなにか?それは「すべての頃合いがいい店」のことだと思います。僕が「いい店」を見極める場合、「味」「値段」「サービス」「予約の取りやすさ」そして「キャッチ度」という5つの基準で判断します

Aという店で食べただけでは、その店の美味しさのランクはわかりにくい。
でも次にBという店で食べると、AとB、どちらが美味しいかは比較できます
これを継続していくと、自分の中で基準ができて、初めて行った店でも、すぐにどのあたりのランクかを判断できるようになります

今の時代は、体に負担にならない美味しさであることも重要
「予約が取れない店の予約を持っている」というのは、強力な誘い文句にはなります
「いい店」には人を誘いやすいキーワードがある
体に負担のない、余韻のきれいな料理を食べに行くときは「罪悪感のない料理を食べに行こう」と言って誘います

「並べば入れる」というのも、特に最近、効くキーワード
「安くて旨い」より「高いけど安い」が効く

店で食事をしているときに他の店の話をするのは基本的にマナー違反

開店したばかりの店で、点数やコメントもあまりついていないのに、そのジャンルのスペシャリストが高い点数をつけている店は、これからブレイクするかもしれない期待度の高い店
僕が和食のいい店を知りたいとしたら、インスタではたとえばまず「#松川」(「松川」は東京・虎ノ門にある割烹)を検索します。するといろいろな人が画像を上げているので、その中から和食の名店や知られざる店を食べまわっているすごい人を見つけます

札幌の「すし善」で修業、というプロフィールがあったら、これも「いい店」である可能性が高い

予約時にできるだけ要望は伝えておくべきです。それによって「この客は美味しいものを食べたいという気持ちが強い」と店に認識してもらい、いい客である予感を持ってもらうのです
誘い方に関しては、相手に過度に責任を追わせるのはNGです。たとえば「君と行こうと思って映画のチケットを取ったから行こう」というのは、相手に責任を押しつけているようでちょっと重いですよね

アンジャッシュ渡部さんに、スペシャルインタビュー

Q「今回、中身がビジネス書ですが、大変じゃなかったですか?」
渡部「じつは普段から、ビジネスマンの方に聞かれることが多い内容をまとめたので、そんなに苦じゃなかったんです。良い店の選び方とか、どのメニューを見て良い店かどうか判断すればいいのかとか」

Q「もし可能ならでいいんですけど……。本書69ページで、<僕は特定のレビュアーの点数やコメントを見るようにしています。自分と嗜好が合う人を見つけて、その人のレビューを追うようにするのです>って書いていますよね。具体名って教えてもらうことはできますか?」
渡部「あ、いいですよ。<えこだねこ>さんとか、<bottan>さんとか、<みるみんく>さんとかがそうですね」

Q「お!貴重な情報ありがとうございます!」
Q「最後に、渡部さんが受けた「最高のおもてなし」について、エピソードがあれば教えてください」
渡部「滋賀に<比良山荘(ひらさんそう)>というお店があるのですが、ここに結婚発表の直後に行ったら、熊の手が左右出てきました。値段にして10万円以上ですよ。お値段もそうですが、そのお気持ちに心打たれました」
渡部「もう一つは、結婚して妻を最初に連れて行った<鮨さいとう>ですね。お店に行ったら<今日は居酒屋さいとうです>って言われて、何でも好きなものを好きなだけ飲ませてくれました」

「これからはお店もお客を選べる時代になる」。今話題のUberやAirbnbを見ればわかりますが、人間としてきちんとしていなければ、サービスを受けることもできないのが、既に始まっている時代です。
金を払う側が偉くて、もらう側は奴隷のような、そんな時代はもう終わりなのです。であれば、大切なのは、人間と人間の心の通い合い。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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