やる気があふれて、止まらない

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早川勝

《ユーモアで人を笑わせると「やる気ホルモン」が分泌される》

これまで私がブレることなく「やる気モード」を持続させることができたのは、いついかなる場所、どんなときであっても、
周囲の人たちを笑わせてきたからに他ならない。

とにかく大優先で、目の前の相手を楽しい気分にさせる
サービス精神のもと、常にその場を盛り上げる
エンターティナーを演じてきた。

よって、上司や部下、お客様や取引先、友人や知人など、
周囲からの私への評価は、「おもしろい人」「話術が巧みな人」
「パワフルな人」である。

ただ、意外に思われるかもしれないが、
幼少期の私への評価は、「控え目な子」「真面目な子」
「無口な子」であった。

だから、ユーモアのセンスや卓越したトークスキルというのは、
決して天賦の才ではない。

思春期から現在に至るまで、私は意識的に努力して
お笑い芸を磨き、自己改革を続けてきたのだ。

なぜなら、人を楽しませる行為こそが、
自らの「やる気ホルモン」を活性化させる
最も効果的な手段であることに気づいたからだ。

明るく元気になったその相手から、お返しとして、
さらなる「やる気」パワーをもらってきたのである。

それはもう計り知れないほど、
モチベーションアップへの相乗効果は絶大であった。

みんなでお互いを明るく楽しませ合い、
笑って過ごすことができれば、知らず識らずのうちに、
仲間が増え、ますます「やる気」があふれて止まらなくなる。

それこそ笑いが止まらない話ではないだろうか。

自分の力だけで成功したなどと豪語している輩は、
驕(おご)り以外の何ものでもない。

やはり人生は、どれだけ人に支援してもらえるかが
成功の鍵を握っているのだ。
あなたの笑わせる行為こそが、
あなたの応援団をより強力な味方にしていく。

より確かなのは、私が人を笑わせれば笑わせるほど、
成功に次ぐ成功が訪れたという事実だ。

周囲を楽しませてきたおかげで、
私はあらゆる営業コンテストに次々と入賞し、
物凄いスピードで昇給・昇格を果たすことができた。
大笑いしながら人生のステージが上がっていったのだ。

そうして、その芸の道が、私の最も大切な仕事と
なっていったのである。

〇ケンタッキー・フライド・チキン創業者、
カーネル・サンダース
《他の人に一生懸命サービスする人が、
最も利益を得る人物である》

もちろんサービス精神とは笑わせることだけに限らないが、
どうせ一生懸命サービスするなら、
楽しいほうが喜んでもらえるではないか。

「楽しいんでほしい」という、
おもてなしのサービス精神なくして、
自らが利益を得ることはあり得ない。
それが大原則だ。

「自分だけ楽しければよい」ではなく、
常に「他人をどれだけ楽しませるか」ということに
気を配っておくことである。

世界中の成功者たちを思い出してほしい。
彼らのほとんどはウイットにとんだユーモアに長け、
いつもジョークを飛ばしている。

余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の
スマートな佇(たたず)まいで、
周囲の人々を笑いの花束で包んでくれる。

人に好かれる人は、人を楽しませることに徹している人。
そういう人は、傍(はた)からみていると
いつも上機嫌に見える。

反対に、自分だけが楽しんでいる自己中心的な人は、
周りからみると気難しくて不機嫌そうにみえる。

笑いという「上機嫌」は肯定であり、
笑わないという「不機嫌」は否定だ。
周りの人を否定する人には、人は寄りつかない。

そして、我々は、道を聞くときでも、
笑っている人や機嫌のいい人を探す。
笑いが人を引き寄せるからだ。

人を笑わせると、自分も明るくなって、笑顔になる。
人を笑わせることで、自分もパワーをもらえるからだ。
その逆に、人を怒ったりすると、
テンションが落ち、パワーがなくなる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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