必ず!プラス思考になる法則

Pocket

精神科医、和田秀樹

私は「いい事もあったんだ」という考え方が好きです。

望まない部署に異動になってしまった、
大きなプロジェクトが成果も出せずに解散してしまった、
三年がかりで挑戦してきた資格試験に今年も失敗してしまった…
そういった、挫折感を味わって当然の経験のあとで、
「でもいい事もあったんだ」と考える人なら、
いつまでも落ち込んでいないで
新しい意欲を取り戻すことができるからです。

配置転換されても仕事に恵まれた時期がありました。
プロジェクトは解散しても
信頼できるパートナーと出会えました。
試験は失敗しても去年より手ごたえを感じました。

すべて、結果は「不運」でも
自分が得たものはたしかにあるのです。
そのことに気がつく人も、幸せ探しの上手な人です。
身のまわりに幸せ感を見つけやすい人です。

悪いことの中にも「いい事があった」と思える人は、
どういう経験をしてもそれを自分にプラスと
考えることができます。
どんなに失敗だらけの日々が続いても、
そのことで自分が後退してしまったとは思いません。

実際、ビジネスで大きな成功を収めるような人でも、
不運続きの時代や不遇な日々が必ずあるものです。

新しい事業に手を出しては立て続けに失敗したり、
サラリーマンの場合にも系列会社や
採算の取れない部門に回されて
「これまでだな」と挫折感を味わったりしています。
しかし彼らは、そういった日々を
自分の不幸な時代とは受け止めません。
なぜなら、どんなに失敗や挫折感を味わっても、
その中には「いい事もあった」と受け止めるからです。

事業には失敗しても、つぎの成功につながる
ヒントが見つかった。
読み違えはあっても着眼の正しさは確信できた。
サラリーマン不遇の時代にも、エリートコースにいては
経験できない実務や販売の苦心、コストの無駄を
学ぶことができた。
不遇な時代を経験したから、
部下の気持ちがつかめるようになった…。

そういったことがすべて、自分にとってのプラス材料と
思える人が、どんな逆境にあっても
前向きな気持ちを失わずにやっていけます。
落ち込まずに意欲を持ち続けることができます。
だから大きな成功を収めることができたのです。

〇「私は自分の障害に感謝しています。
自分を見出し、生涯の仕事に出会えたのも
この障害のおかげだからです」
ヘレン・ケラー

今がどんなにひどくて最悪だと思える環境だとしても、
ヘレン・ケラーのことを考えたら誰もが黙るはず。

どんな人であろうと、ちゃんと探せば
身近に感謝すべきことはいくらでもある。
歩くことができて幸せ。
息ができて幸せ。
笑うことができて幸せ。
そして、今この瞬間、生きていて幸せ…。

Pocket