『熱意』

Pocket

田中真澄

「成功には、いろいろな要素があるが、
そのなかでとくに大事なもの、それは熱意だ」
デール・カーネギー

カーネギーの文献や講座の本質は“熱意”だ。
その彼が存命中、よく講演をともにした人が
フランク・ベドガーだ。

ベドガーは、貧乏な家庭に育ち、
小学校さえも満足に卒業しないで、苦労した。

うだつのあがらない保険セールスマンだったが、
デール・カーネギーの演説講習会に
たまたま出席したのが転機になった。
カーネギーによって熱意の精神を植え込まれた彼は、
それ以来、人が変わったように熱意の人になり。
全米一の保険セールスマンになった。

「世の中で熱意以上に大切な要素はない。
熱意が重要視されるのは、
この素質をもつ者が少ないからだ。
どうすれば熱意がもてるのか。
それは唯一つ、
『熱意の人になるには、熱意をこめた活動をせよ』」
フランク・ベドガー

アメリカには、ポップ・フィロソフィーという
哲学のジャンルが確立されている。
大衆に役立つ哲学という意味であり、
生活実践哲学といっていい。
カーネギーの講座は、その代表的なものである。

仕事も教育も、原点は熱意をもってやることだ。

無我夢中で熱くなってやる人を、
カッコ悪いと思うような風潮がある。
クールで表情には出さず、
がむしゃらさを見せないような人が
カッコいいとされているのは間違いだ。

松下幸之助「熱意」
「なまじ知識があると、
しゃにむに突進する気迫が、のうなります。
しかし“断じてやる”と決めて、やってみれば、
案外できるものです。
鉄をも溶かす熱意があれば、
何とか知恵がわくもんです」

吉田松陰
「狂愚まことに愛すべし、才良まことにおそるべし」

狂愚とは、常軌を逸して愚かなことだが、
熱情に突き動かされて行動したり、情で動いたり、
感極まって動くような人を指す。
才良とは、行動もしないで、ただ理屈や理論を振りかざす、
頭でっかちの人を指す。

狂愚の人からは熱意がほとばしり出ている。
頭で考える理屈の人からは、熱意は伝わってこない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

Pocket