ヘッジファンドは厳冬の時代/オイル買います売ります

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世界中のヘッジファンドのリターンは、近年ずっと1ケタ台。S&P500の上昇率と比べると、7年連続負けている。情報と金融工学に精通しているヘッジファンドが負けている。相手は、株式指数に連動するだけのインデックスファンドである。

株式連動のファンドは、パッシブファンドと呼ばれる。これに対して、あれこれと買い物を探すファンドは、アクティブファンドだ。今は、動き回るファンドよりも、何もしないファンドの方が得をしている。

ヘッジファンド業界は、過当競争で苦しんでいる。2000年に3千だったのが、今は8千5百に増えている。金を儲けるには、優秀な運用責任者を起用するか、他人がやらない事をするしかない。

優秀な運用責任者は、限られている。市場の技術開発が進み過ぎたので、他人の裏をかく余地は無くなってしまった。

アルゴリズム搭載の高性能コンピューターによる「高頻度取引(HFT)」は、世界の株式市場で5~6割。国債市場では、9割以上を占めている。生身の投資家では、ロボットの処理スピードに太刀打ちできない。

それでも株式指数が堅調なのは、各国の中央銀行が「いつでも救済に駆け付ける」と万全の体制を示しているからだ。

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