オヤジ本田宗一郎の哲学

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オヤジ曰く
本田技術研究所は技術を研究する所じゃない。
人間の研究をする所だ。
つまり、お客様の心を研究し、
お客様が求める将来価値を見つけるのが
最重要の仕事だ。
ホンダの存在意義は、
新しい価値を生み出して、世の中の人々に
喜んでもらうことだ。

オヤジ曰く
理念・哲学の無い行動・技術は凶器だ。
行動の無い理念は無価値である。
ホンダの哲学とは、哲学者が語るような
難しいものではない。
社員の中に生き続けているものだ。

オヤジ曰く
(埼玉工場を立てる時に、)
水は皆さまのものだから、
元の水よりもきれいにしてお返ししなさい。

オヤジ曰く
ホンダの哲学は、具体的に言うと
3つの喜びと人間尊重だ。

3つの喜びは我が社のモットーだ。
作って喜び、売って喜び、買って喜ぶ。
買って喜ぶが一番大切だ。
商売の本質は、お客様に喜んでもらうこと。
それをホンダの社員全員で喜ぼう。
買って喜ぶは、技術者が独りよがりにならないための
戒めにもなる。
これを真剣に考えると、技術者がすべきことは
お客様に喜んでもらうための
新しい価値づくりだという結論に自然にたどり着く。
論文のための研究や、技術者の好奇心を満たすための
技術開発は優先されない。
世の為、人の為が根底にある。

人間尊重
自立、平等、信頼だ。
無駄な奴は一人もいない。
みんなに得手をやらせれば
苦労を厭わず向上心が出て頑張り、
本人は幸せなんだ。
B級、C級の人間は出ていけといった
某アメリカの経営者は支持できない。

自律した個人が平等な立場で
お互いを信頼することが、ホンダの人間尊重だ。
自律して自分の意見を持てるように
技術者はとことん鍛えられる。

ホンダでは、技術の前では平等だ。
役職が高いからといって、
ある特定の技術をゴリ押しすることは許されない。
技術の優劣を判断する基準は、
お客様に新しい価値を提供できるかどうかだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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