『ゲーム感覚で自分を変える』

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スティーヴ・チャンドラー

〇ゴルフが好きな人は、仕事のときより、
ゴルフの最中の方が、情熱的で真剣だ。

彼らがゴルフに仕事以上のエネルギーを傾け、
仕事よりも頭を使い、仕事よりも熱心に取り組む理由、
それはゴルフがゲームだからだ。
ゲームは人のエネルギーを高めてくれる。

〇夜通しポーカーに興じる男たちも、
ポーカーをしない女性からすれば、
「よく途中で眠くならなかったわね。
コーヒーでもがぶ飲みしていたの?」などと言いたくなる。
しかし、実際には彼らはコーヒーではなくビールを飲んでいる。

「お酒なんか飲んだら、
頭が働かないし眠くなるでしょう?」と思うところだが、
そんなことにはならない。
なぜなら、ポーカーはゲームだからだ。

たぶんビールだけではない。
おそらく彼らは葉巻も吸い、ジャンクフードも食べている。
どれも脳にはよくないものばかりだ。

それでも、彼らの頭が一晩中エネルギッシュでいられるのは、
ゲームをしているからだ。
ポーカーというゲームで競うことの楽しさが
最高の刺激剤となるのだ。

〇私はあるセミナーで、「仕事は遊びよりも楽しい」という
脚本家ノエル・カワードの言葉を引用したことがある。

すると参加者の1人が、手を上げて発言した。
「ノエル・カワードって誰ですか?
たぶんポルノ俳優かプロゴルファーでしょうね」

この発言は大いに受けたが、ある真実を突いている。
つまり人は、楽しい仕事というのは、
自分の仕事以外のどこか別の場所にあると
考えているということだ。
「自分もあんな仕事ならいいのに!」
「プロゴルファーなら仕事も楽しいだろうな!」…というわけだ。

しかしどんな仕事であっても、
やりがいのある楽しい部分は見つけることができる。
「自己ベスト」「制限時間」「同僚との競争」など、
ゲームの要素を意識して取り込めば、仕事はずっと楽しくなる。

〇私は以前、ある優秀な若手セールスパーソンの
トレーニングをしたことがある。
彼はチーム平均の3倍の成績を収めていた。

彼に言わせると、同僚たちの仕事の仕方が信じられないそうだ。
彼らは断られると必要以上に落ち込み、簡単にあきらめ、
契約を取り付けるのにいつも苦労している。

「私はそんなに深刻に考えていないんです」と、
彼は笑顔で言った。

〇新しい顧客を開拓するセールスはチェスみたいなものです。
顧客が手ごわいほど、売るのが楽しくなる。
断られて自分が否定されたとも思わないし、
落ち込む必要もない。

あなたのしなければならないことがなんであれ、
それをゲームに変えてみよう。
仕事での大プロジェクトでも、家の大掃除でも、
ゲームにしてしまえばエネルギーは高くなる。

ゴルフで、打ったボールすべてが
自分が思った通りの距離と場所に飛び、
狙った通りにパットが入ったら、
最初は楽しいだろうが
やがてゴルフをやる人は誰もいなくなる。

ボーリングでも、常に狙ったとおりにボールが転がり、
全部のピンが毎回倒れたとしたら、
やがてゲームに飽きてしまう。

将棋や囲碁も、対戦相手が自らが負ける手を
毎回打ってきたとしたら…

全てのゲームは、自分の思い通りにならないから面白いし、
悔しいからこそまた挑戦する気もおきる。
これを「ゲームの楽しみ」という。

「人生とは何ですか」との問いに、今東光氏はこう答えた。
『人生というのは冥土までの暇つぶしだよ』

「それをゲームに変えてみよう」
人生を、楽しみ(暇つぶし)のゲームと捉えれば、
すべてが面白くなる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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