『楽天的に生きる《人生談義》より』

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松下幸之助

自信というのは、生きる上で非常に大切なものですな。そうしたものがなければ、生きていても、こんなに頼りないことはない。
もっとも、自信を持ちすぎるのも困りものですがね…。

僕も、自信をなくすという経験は何度もしてますわ。悲観して、どうにも困りはて、夜も眠れんというようなこともありましたよ。
しかしね、その翌朝になると、もうすっかり考え方というか発想が変わってましたな。昨夜悲観した材料をもとに、これはこう考えよう、あれはああしようというように、建設的な考え方が心に浮かんでくる。
禍転じて福となす、そういう発想ですね。それが自然にできたのですよ。だから、自信をなくしたとはいうものの、そのつぎの瞬間には、どうすればそれを解決できるか、そのことをもう懸命に考えていたということですな。

幸い、そういうことができたので、今日までやってこれたんですな。
それができたのは、僕が持って生まれた性格というものもあるでしょうが、やはり体験の中から自然に身についたものですね。

百のことを行って、一つだけ成ったとしたら、たいていの人は事の成らない九十九に自信をなくし、もう再びその事を試みなくなりますな。
そうなれば、失敗ですね。
しかし、よく考えれば百が百とも失敗したわけではない。たとえ一つでも事がなっているということは、他の九十九にも成る可能性があるということですね。
そう考えれば勇気が出てきますな。そして、事の成った一つをなおざりにしないで、それを貴重な足がかりに、自信を持って失敗した九十九に挑む。
そうなれば、もはや成功したのと同然ですな。

良い面を見て自信を持つか、悪い面を見て自信をなくすか、それによって人生は大きく変わってきます。

〇【事の成らない九十九に自信をなくすか、事の成った一つに勇気を持つかで人生は変わる】(素直な心になれば、危機に直面してもこれをチャンスと受けとめ、“禍を転じて福となす”こともできる)松下幸之助

〇「悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見出す。楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す」イギリスの名宰相、ウィンストン・チャーチル。

〇「グラスに半分ワインが残っているのを見て、『ああ、もう半分しか残っていない』と嘆くのが悲観主義者。『お、まだ半分も残っているじゃないか』と喜ぶのが楽観主義者である」イギリスの小説家、バーナード・ショー。

〇「失敗したのではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」エジソンが電球を発明したときの有名な言葉。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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