『斎藤一人 愛される人生』

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ステキな踊りをおどってる人と、偶然、出会いました。その人はレストランをやってるんだけど、「ウチの店にはあまりお客さんが来ないんです」っていうのね。私は、その人の話を聞いてて、こんなことを思った。「もしかしたら、そこのレストランに来たお客さんが、誕生日やなんかお祝いごとがあったとき、その人のために、一曲、踊りを踊ってあげたら、スゴく喜ばれて楽しくなるんだろうな」って。

なにを言いたいんですか、って。人間って、自分が楽しむことを先に考えちゃう傾向があるんだ。自分が楽しむことを考えるのはいいんだよ。私はなにも、「それは悪い」といってるんじゃないからね。
ただ、意外なことに、自分を先にするより、相手が楽しむことを先に考えると、もっと、もっと自分が楽しくなってくる。自分の楽しみを優先した時の何倍、何十倍も楽しいんだよ、って。それを言いたいんです。

それで、“しあわせの種”をまく、人を喜ばすって、「誰々の誕生日を祝ってあげよう」とか、ちょっとした事でいいうえに、ヘンな話、あまりお金をかけなくても、人を喜ばすことはできるんですよ。マグカップに字を書いてあげる、なんてのは、100円か、200円の話でしょ。人をほめたり、人にやさしい言葉をかけてあげるとかって、タダだよ。
それでも、ものスゴい効果がある。「効果がある」というのは、人から笑顔がもらえる、ってことだよ。
人をしあわせにする、人を喜ばせることをやったら、自分だけじゃなく、相手の心にも「うれしいな」っていう思い出が残る。うれしい思い出を人にたくさん提供できる自分って、スゴくいいもんです。そんな自分の人生って、最高だよ。

だから、人を喜ばせて、楽しい思い出のプレゼンターに自分はなるんだ、と。そうやって心に決めて、やりだすとする。すると、どんどん、どんどん楽しくなって、そのうち、「渡すタイミングをどうしようか。サプライズにしたら、どうだろう」とか考えだしたりね。
そうすると、サプライズものって、もらった人も喜ぶけど、自分も渡す前からワクワクしちゃう。仕事においても、人を喜ばすことを考えながら仕事してるのと、そうじゃないのとでは、楽しさが、全然、違います。社長や上司を喜ばそう、お客さんを喜ばそう、同僚も喜ばそう、って思うと、仕事がどんどん楽しくなってくるし、出世もするの。

客商売っていうのは、お客さんに「そこのお店に行くと楽しい」って言われるような店を作んなきゃいけない。飲食店をしてるんだとしたら、「自分のところは、おいしい料理を出して喜ばすんだ」っていうのもいいよ。
けどね。私は、日本じゅう、いろんな食べもの屋に行ってるけど、食べもの屋でマズイってところって少ない。どこの店も、味はそこそこ。その中で、繁盛してないお店というのは、たいがい、楽しくないお店なんです。
だから、お客さんを楽しませなきゃなんない。

とにかく、なんでもいいから、人が喜ぶことをやってみる。仕事してる時も、プライベートでもそうですよ。
そしたら、いつも自分はハッピー。「どうしたら喜ぶだろうか」って考えてるだけで、もうワクワクしちゃう。こういうのが“第三のしあわせ”だ。って、私はいうんですけど。
ところで、あなたは“第三のしあわせ”を味わったことがありますか?釣りとか、ゴルフとか、登山とかさ、ハイキングとか、いろんな楽しいものがあるけれど、そのなかの一つとして、「人の笑顔を見たり、人が喜ぶことをするのが趣味なんだ」って。
そんな考えの人たちが集まれるインターネットサイトみたいのを作って、「今日、こんなことをしたら喜ばれた」とか、みんなでいいアイデアを共有しあって、使ってみたらどうだろう。なんてことを考えながらワクワクしている、今日この頃の一人さんです(笑)。

「仕事がうまく行くコツは、ふつうにお役に立つだけじゃなくて、楽しくなって役に立っちゃう。その人が来ると、明るくなっちゃう。お店だって、そこへ行くと、楽しくなっちゃう、明るくなっちゃう。
元気はつらつとやってることが、世間やお客さんに求められてるんです」皆でどこかで宴会をやってるとき、誰かが入ってきて、座がパーッと明るくなる電灯のような人がいる。反対に、誰か入ってきたとき、座がシーンとなって暗くなったりする人もいる。
人を喜ばせるのが好きな人は、電灯のような明るい人。自らがワクワクしていないような人、暗い人は、人を喜ばせることはできない。

人を喜ばせるのが好きな人になろう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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