お風呂の医学

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早坂信哉、東京都立大学人間科学部教授・学部長

入浴は最も手軽で最高の健康法

〇入浴が心身に与えるプラスの影響1.幸福感湯船に浸かると気持ちよくなり、心身ともにリラックスする。毎日入浴する人ほど幸福度が高い。湯船に浸かると幸せホルモン・オキシトシンが増え、ストレスホルモン・コルチゾールが減ることが確認された。2.健康寿命の延伸毎日入浴するだけで、要介護リスクは3割も下がることが明らかになった。

〇入浴の3つの作用
1.温熱作用身体が温まると血管が広がり、たくさんの血液が身体中に行き渡る。2.水圧作用身体が圧迫されることで血流が改善される。
3.浮力作用首まで浴槽に浸かると、体重は10分の1になる。身体が体重から解放されることで、関節や筋肉の緊張がゆるみ、心身にリラックス効果がでる。

〇基本の入浴術
1.入浴前後の水分補給入浴では800mlの水分が体内から失われる。水分補給は入浴前後にコップ1~2杯ずつ。麦茶がお勧め。
2.かけ湯で体を慣らす急に熱い湯舟に入るのは、血圧の上昇を招き危険。手足の末端から体の中心にかけて徐々に温める。
3.肩までゆっくり浸かる入浴の基本は全身浴。熱すぎる湯温や長風呂は、血圧が過度に上がるので要注意。また半身浴では入浴の3つの作用が半減してしまう。4.浴槽からはゆっくり立ち上がる急いで浴槽から立ち上がると、血圧が急激に下がって立ち眩みを引き起こす。これが転倒事故の原因となるので気を付ける。

〇入浴事故で亡くなる人は年間で2万人。冬にはヒートショックが増える。冷えた脱衣室や浴室がヒートショックを招く。屋内との温度差を減らすために、入浴前に脱衣室は暖房器具で温める。浴室はシャワーで2分ほどお湯をかけ流しにして温める。入浴を避ける時1.入浴前の収縮期血圧が160mmHg以上2.入浴前の拡張期血圧が100mmHg以上3.入浴前の体温が37.5℃以上

〇冬でも乾燥知らずの潤い肌にゴシゴシ洗い過ぎず、入浴後は保湿をする。身体を洗う時は、石鹸などを泡立て、優しく手でなでるようにする。入浴後10分たつと肌の水分量が減っていくので、保湿リミットは10分が目安となる。〇お風呂は体をほぐす絶好の場所1.マインドフロネス頭をからっぽにして、ストレスからら解放されるマインドフルネスを湯船の中で実践する。湯船に浸かって呼吸に意識を向ける。3秒かけて鼻から吸い、5秒かけて口から吐く。10~20回繰り返す2.肩こり改善・ぽかぽか型回し左ひじを曲げ、ひじで大きな円を描くようにして5回、前に回す。反対に5回、後ろに回す。右肩も同様に行う。3.腰痛改善・まめめ伸ばし両手でひざを抱えて、背筋を伸ばす。上半身をゆっくりと前に倒し、背中を丸める。5回繰り返す。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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